Vol.002 整備工場や中古車販売店のウェブサイトに記載すべき内容とは
自動車業界インターネット活用講座 Vol.002
第一回のメルマガでは、なぜいま整備工場や中古車販売店にホームページが必要なのか、その背景についてお話ししました。
あなたが、初めて来店するお店をあらかじめインターネットで調べてから来店するように、整備工場を探しているお客さんも、自分の地域で整備工場を探す際は、インターネットを検索して探しています。
- 「近所に良い整備工場は無いか?」
- 「リーズナブルに整備してくれる整備工場は無いか?」
- 「親切な整備工場は無いか?」
- 「技術力のある整備工場は無いか?」
- 「専門性の高い整備工場は無いか?」
など、それぞれの希望に近い整備工場をインターネット検索しているわけです。
で、良い整備工場が無いかとインターネットを検索すると、掃いて捨てるほど整備工場が出てくるはずです。その中であなたの整備工場が選ばれるためには、まずはとにかくホームページが大切である、ということなのです。
お客さんは「来店前」にすでに第一印象を決めている
お客さんは整備工場に行く前に、必ずといって良いほどホームページを見てから判断しています。つまりお店の第一印象というのは、電話対応でもなく接客応対でもなく、工場の設備でもなく「ネット上」で決まるのです。
あなたも飲食店や美容室さんを予約する時を思い出していただければ理解できるはずです。メニューの価格が明確で、写真がきれいなお店、店内の様子やスタッフの雰囲気が伝わるお店、口コミやレビューが載っていて、信頼できそうなお店
こうした情報がそろっているお店には「なんとなく安心できるから行ってみよう」と思うはずです。初めてのお店を選ぶ際は、ネットの印象で来店するかどうかを決めると思います。整備工場もまったく同じです。外観の綺麗さよりも「ホームページの印象」が第一優先である、ということなのです。
もちろん、店舗をきれいに整え看板を新しくしたり、電話応対をしっかりすることは大切です。しかし、見込み客がインターネットを検索する際、店舗の存在を知られなければ意味がないのです。床をピカピカに磨き、テスターを新調し、外看板を新しくしても、ホームページが「情報のないまま放置されている」「スマホで見づらい」「レイアウトが悪く文字ばかりで読みにくい」状態だと、お客さんはこう思ってしまいます。
「あれ?ここ、本当にちゃんとやってるお店かな?」
「ちょっと古そう……他を探してみようかな」
最近では、閲覧の8割以上がスマホからと言われています。スマホで見たときにレイアウトが崩れていたり、ボタンが押しにくかったりするだけで、お客さんは離れてしまう可能性があります。これが非常にもったいないのです。実際は良い整備工場なのに、良いお店に見えていない。これが、今多くの整備工場が抱える「新規客が集まらない理由」のひとつです。
整備工場のホームページは、いわば「営業マン」であり「受付スタッフ」であり、時には「広報担当」でもあります。それも365日24時間黙って働き続けてくれる優秀なスタッフなのです。
たとえ定休日でも、営業時間外でも、
「どんな整備が得意なのか」
「スタッフの対応はどうか」
「お客様からの評判は?」
といった情報を、お客さんにしっかり届けてくれる存在。そんなホームページが整っていれば、自然と「この工場に相談してみよう」と思ってもらえるようになります。
どんぐりの背比べ
整備工場の新規集客というのは、立派なウェブサイト制作会社に何百万も払って日本一のすごいサイトを作る必要はありません。あなたのクルマで行ける地域の中で、他の整備工場より少しだけ良ければそれで良いのです。それだけで、地域の新規客を総取りできるのです。別に日本一を目指す必要はありません。ライバルよりちょっとだけ良ければ良いのです。まさにどんぐりの背比べなのです。
どうですか?
ホームページをしっかりしようと思いませんか?
で、どんなことをホームページ書けば良い?
それでは、どんな内容をホームページに載せるべきでしょうか。
実は冒頭に答えを書いてしまいました。
- 近所に良い整備工場は無いか?
- リーズナブルな整備工場は無いか?
- 親切な整備工場は無いか?
- 技術力のある整備工場は無いか?
- 専門性の高い整備工場は無いか?
北海道から沖縄まで、日本全国どの地域でも、お客さんの整備工場を選ぶ選択基準は上記に集約されます。このようなことをどのようにホームページに伝えるか?だけを考えれば良いのです。
近所に良い整備工場は無いか?
お客さんの視点は、遠方に行くのは面倒。できれば自宅や職場の近くで信頼できる整備工場を見つけたい、というニーズです。近いというのは、それだけで強力な選定理由になります。自社の整備エリアを明確にし、そのエリアの自動車整備なら当社にお任せ!というメッセージをしっかり伝える必要があります。
ホームページで伝えるべきこと
店舗の所在地をGoogleマップを使って明示し、対応エリア(例:「◯◯市全域対応」「△△駅から車で5分」など)みたいなことを明確に記載し、無料引き取り納車エリアなどをしっかり記載することです。地域密着の姿勢(地域名を明記したあいさつ文や実績紹介)を明示しましょう。
「◯◯町・△△エリアで整備工場をお探しなら当店へ。地元の皆さまの“かかりつけ工場”としてご利用いただいています。」
みたいな感じですね。
リーズナブルな整備工場は無いか?
お客さんの視点は、単に安さだけを求めているわけではなく「納得できる価格かどうか」が重視されています。明朗で、信頼できる価格設定が選ばれる理由になります。
ホームページで伝えるべきこと
工賃やパック料金の目安(※できるだけ明確に)を明示し、「見積無料」「相談無料」などの安心要素もしっかり伝えましょう。中古パーツの活用や、必要な整備だけ提案している旨の整備ポリシーを明確にするのも有効です。「不要な修理は勧めません」など、誠実な姿勢の訴求も大切ですね。
「“ムダな整備はしない”をモットーに、お客様に本当に必要な整備だけを提案しています。」というような整備ポリシーを明確にしましょう。
親切な整備工場は無いか?
お客さんの視点は、整備内容や費用がよくわからないからこそ「説明が丁寧」「接客が親切」なお店を選びたいという心理があります。
ホームページで伝えるべきこと
スタッフ紹介(人柄が伝わる写真+コメント)や実際の対応風景(説明中の写真、作業中の動画など)を画像で伝えることです。プロが作るホームページと自分たちでサイトを作る場合の明確な違いがここに現れます。自分たちでホームページを作ると、自分たちの顔を出すことを嫌がり、スタッフの写真が載っていないホームページが出来上がります。そんなホームページで見込み客を集められるわけがありません。親切な整備工場を演出するなら、親切そうに接客している自分たちの画像をたくさん使いましょう。
他には「整備が初めての方へ」「女性のお客様へ」などの特設ページも有効です。Googleクチコミやお客様の声から“対応の丁寧さ”を伝えるように、顔の見えるホームページを目指してください。
技術力のある整備工場は無いか?
お客さんの視点は、クルマは命を乗せるもの。経験の浅いスタッフや設備のない工場では不安。だからこそ、実績・資格・技術があるかが重要です。
ホームページで伝えるべきこと
国家資格整備士の在籍状況やメカニックの経験年数などをしっかり伝えましょう。メーカー認定工場や指定・認証工場であることの明記も大切です。さらに修理事例を使って難易度の高い修理・整備事例の紹介(特に写真つき)や、検査機器・診断機の保有状況(スキャンツール等)などの設備面を記載するのも有効です。
定年間近なおじいさんメカニックも、味方を変えれば「熟練のメカニック」のはずです。
専門性の高い整備工場は無いか?
お客さんの視点は、車種や用途によって、専門的な知識や経験を持った工場に任せたいという希望。特に福祉車両・輸入車・旧車などに多いです。
ホームページで伝えるべきこと
「◯◯専門」の打ち出し(例:「ハイエース専門」「輸入車に強い整備工場」など)や、メカニックの経歴と経験も大切です。実績紹介ページなども良いと思います。他社から依頼されたケースの紹介(専門性の裏付け)なども良いですね。
以上のように、5つの選定基準は、それぞれに対応した「伝え方」が存在します。どれも“事実を誠実に伝えること”が重要であり、言葉だけのアピールではなく、「写真・実績・お客様の声」と組み合わせて伝えることで、信頼性が一気に高まります。
さらに以下のポイントを押さえるだけでも、お客様の印象は大きく変わります。
どんなお店かをしっかり伝える
店長・スタッフの顔やコメント、作業の様子などを掲載することで、“見えるお店”になります。
選ばれている理由を証明する
お客様の声や施工実績(ビフォーアフター)、Googleレビューの紹介などが効果的です。
問い合わせやすさを工夫する
これはウェブ制作会社の仕事ですが、電話番号を目立つ位置にかんたんに問い合わせできる問い合わせフォームを設置しておくのも反響を増やすコツです。
これら情報のあるお店になる第一歩は、伝える内容を整理することからはじめましょう。どんな強みがあるか、どんなお客様に喜ばれているかを言葉にし、形にしていくことで、お店の魅力が自然と伝わるようになります。
次回は、その「実際の施工事例」や「お客様の声」を、どうやって効果的にホームページに反映させていくか?もっと反響を得るための“見せ方の工夫”について詳しくお伝えします。