地域のお店と相互広告を行う「車内クリアファイル広告」のススメ

目次
地域の他業種と相互広告を行うレンタカー戦略
このメルマガを読んでいる読者のレンタカーは、地域密着型のレンタカーのはずです。全国に店舗がある大手レンタカーとは異なり、地元整備工場や中古車販売店のレンタカーは、地域に住む人や働く会社などを相手にしているはずです。
ということは—、あなたの潜在顧客は「お店の近く」、徒歩圏内や通勤経路の中にいる可能性がほとんどですよね。その潜在顧客にあなたのレンタカーを知ってもらうためには、地域で日常的に利用されている「飲食店」や「施設」といった「他業種のお店のお客」をターゲットにすることが重要です。
本来は、駅前や商店街に広告を出すなどの地域戦略が王道ですが、そんな広告費をかけることに躊躇しているあなたにおすすめの、面倒くさいけど破壊力抜群な「相互広告」方法をお伝えします。レンタカーの車内空間を活用し、地域のお店とWin-Winの関係を築きながら、お互いの認知度アップを図る方法です。
車内空間は最高の広告スペース
あなたの事業で一番キモとなるのが、顧客の「車内空間の滞在時間」です。あなたのレンタカーを借りたお客は、クルマを借りたあと、平均で数時間から数日、そのクルマを利用します。この間、運転中の信号待ち・同乗者の待ち時間・目的地到着後のアイドリング中など、車内で手持ち無沙汰な時間は多いのです。
(毎回同じ話で恐縮ですが)そこにクリアファイルがあり、その中に地元のお店のチラシやクーポン、観光マップが整理されていればどうでしょうか?たいていの人は、自然と手に取り、中身を一通りチェックするはずです。
これは一般的な広告の「通行人が何秒間だけチラシを目にする」ような形とは異なり、「集中して情報に接してもらえる空間」として、非常に価値が高いのです。とくに観光客や出張者にとっては、車内で得た情報がそのまま「今日の目的地」にもつながります。あなたのレンタカーの車内空間は、広告価値が非常に高い、ということなのです。
目指すのは地域との共存共栄
この車内スペースに「誰の広告を入れるか」。もちろん自社広告でも良いのですが、次のステップとして相互広告を考えましょう。
たとえば、近くにある人気のラーメン店や居酒屋と提携して「お互いの広告物を交換し合う」関係を作る、ということです。あなたのレンタカーの車内にはラーメン店のチラシを置き、ラーメン店のカウンターには、あなたのレンタカーホームページのQRコードを置いてもらう。こうすることで、お互いが「お互いのお客さん」に情報を届けられるのです。しかもほぼ無料で永続的に、です。
飲食店の多くは、地域の新規顧客にアプローチする方法を常に探しています。ネット広告はクソほどに費用がかかり、SNSは更新が大変で面倒。大手グルメサイトやグルメ評価サイトはマイナスレビューも書かれて大変、、など、既存の集客方法に辟易しているのが現実です。そんな中、レンタカーの車内というユニークなアイディアを持ったあなたの提案は、意外と喜ばれるものなのです。
【実践ガイド】相互広告の始め方とポイント
そうはいっても「実際にどうすんのよ?」と考える横着なあなたに向けて、今回は実践編としてステップバイステップで手順を紹介します。
STEP 1:提案先のリストアップ(10件が目標)
まずは、レンタカー利用者の動線に合致しそうな地元店舗をリストアップしましょう。
- 飲食店:ラーメン、カフェ、ファミレス、寿司屋、居酒屋など
- サービス施設:スーパー銭湯、日帰り温泉、理美容室、整骨院
- レジャー施設:観光農園、アウトドアショップ、ボウリング場
- 宿泊業:ビジネスホテル、ゲストハウス、民宿
- 小売店:お土産屋、地域特産品店、ドラッグストア
地図アプリを使い、「レンタカー店から半径2km圏内」の検索で候補を出すのもおすすめです。
STEP 2:直接訪問して顔を出すこと
飛び込み営業のようなものではなく、まずは名刺と簡単なパンフレットを持参してご挨拶。
「地域でレンタカーを運営している関谷自動車です。当社が運営しているレンタカーの車内に、地域のお店のチラシなどを置いておりまして、よろしければ御社のチラシも置かせていただけないかと思いまして…」
この一言で、かなりの確率で「え、いいの?助かる!」となります。
STEP 3:こちらのチラシも「置かせてもらう」
「ちなみに、うちのレンタカーの案内も少しだけ置かせていただければ嬉しいです」と伝えれば、相互広告として成立します。相手から「うちの方にも置いていいですよ」と言ってくれる場合もありますし、この段階で無理をせず、了承を得られたところから始めていきましょう。
STEP 4:継続的な関係を築く(“月1訪問”がおすすめ)
「月に一度だけ、チラシの補充に伺いますね」この一言があるだけで、相手は“放置されていない安心感”を持ちます。継続することで、「〇〇さん、また来てくれた!」という関係性が育ち、紹介をもらえる、別のお店も紹介してもらえる、という展開に発展します。
ある地方都市のレンタカー店では、近隣の温泉施設と相互広告をスタート。温泉のロビーに置いたレンタカーのチラシを見て「旅行に便利そう」と連絡してきた高齢夫婦が、月1で利用してくれるようになった。また別の都市部では、カフェとのコラボで「車内クーポン提示でドリンク無料」の施策を実施。半年間で15件の利用者が実際にクーポンを提示して来店し、カフェ側も「今後も続けたい」と継続が決定。
など、相互広告は想像以上に地に足の着いた成果をもたらしてくれます。決してすごい成果ではありませんが、地味〜で良いと思いませんか?
飲食店以外にも、美容院、整骨院、花屋さん、葬儀屋さんなど商店街にありそうなざまざまな業種は、新規客を集めることに苦労しています。多くの業種がターゲットになるはずです。
【応酬話法】「うちの店は来店数が多いので…」と言われたときは?
地域のお店に相互広告の提案をすると、稀にこういった反応が返ってくることがあります。
「いやぁ、うちは毎日かなりのお客さんが来るから、そちらのレンタカーと交換って…バランス合わないかもねぇ」
ムカつきますね。。確かに、たとえば人気のラーメン店なら、一日に何十人、何百人もの来店があります。一方、レンタカーの1日の貸出件数は、店舗規模によっては数台〜5台程度という場合もあるでしょう。その数だけ見れば「割に合わない」と感じられても不思議ではありません。ですが、ここが“車内広告”の面白いところです。実際にこう切り返してみましょう。
「数じゃなく質なのです」
「たしかに、来店数で言えば御社の方が圧倒的です。ただ、うちのレンタカーは「車を借りたお客さんが、数時間〜数日間、ほぼ確実に車内でクリアファイルを手に取る」という環境なのです。つまり、お一人おひとりに、紙の広告をじっくり見てもらえるチャンスがあるのです。「精読率の非常に高い広告スペースなのです。ですから、御社の広告も高い確率でしっかり読まれるとお考えください。」
「レンタカーの車内は独占空間」
駅前のラックに置かれたチラシや、店頭のポスターは、他の広告に埋もれてしまいがちです。しかし、レンタカー車内のクリアファイルは「他の情報がない空間」で、しかも自分の専有スペースです。実際、移動の合間に手持ち無沙汰になったとき、多くのお客様が自然と中を覗いてくれます。なので、たとえ1日10件の貸出であっても、その10人全員がチラシを手に取る可能性が非常に高いのです。
「地域情報の資料として“価値ある一冊に仕上げています」
お客様から『このファイル、地域の情報がたくさん入っていて便利ですね』と言われることもあるんです。これ、単なるチラシじゃなくて「地域案内としてのツール」として認識されているということなんですよね。」「お店の情報がその中に入っていると、行ってみよう”と思ってもらえる確率は」ずっと高くなります。」
何より地元同士のつながりとして大切にしています
「私たちとしても、広告効果というより、「地域の良いお店を紹介したい」という気持ちでお声がけしています。 だから、ノルマも営業的な強制も一切ありません。」いかがですか?
みたいな感じの応酬話法でいってみましょう。
なんだか地域広告の営業マニュアルみたいになってきましたが、しょうがありません。自社レンタカーの広告を行うためには、ときにこんな努力も必要だ、ということです。
というわけで、他業種訪問時の応酬話法をまとめてみました。
相手の懸念:「うちは来店数が多いから、そちらとのバランスが…」
あなたの返答例:
「おっしゃる通りです。ですが、うちの車内は「独占空間」で、1人のお客様がしっかり情報に目を通してくれます。
チラシをパラッと流し見されるのとは違って、クリアファイル内の情報は“読む”んです。
ですから、数よりも“読まれる確率”の高さで言えば、意外とこちらも負けていないんですよ。」
「しかも、このファイルが地域のお店の情報で充実してくると、それ自体が“地域ガイド”としてすごく喜ばれるんです。」
「もちろん無理はしません。20枚くらい預からせて頂けるだけでも助かります。こちらのチラシもほんの数枚、目立たないところに置いていただければそれで大丈夫です。」
こんなことが商店街で話せれば、本業の車検点検も売れそうですね。クルマ辞めても食っていけるかも・・
地域情報を編集するという発想
こうして地域のお店のチラシが車内のクリアファイルに1つずつ追加されていくと、まるで「ローカル・インフォメーションブック」のようになっていきます。
- 観光のお客様には→「おいしい地元飯&観光マップ」
- ビジネス利用のお客様には→「出張帰りに行ける温泉&地元の銘菓」
- ファミリー層には→「子ども連れOKの飲食店&遊び場マップ」
これらの情報が、広告というよりも「あると便利な資料」として評価されるようになると、自然とお客様の記憶にも、紹介されたお店の名前が残っていきます。結果として、「あの車内にあったお店、行ってみようか」となるのです。
小さく始めて大きく育てること
もし、「うまくいくかな…」と不安があっても、まずは1店舗から始めてみましょう。顔を出して、チラシを預かって、クリアファイルに入れて、お客様の反応を見てみる。実際に使われたチラシが減っていたら、「あ、ちゃんと読まれているな」と実感できるはずです。
そして、こうした地域のつながりがひとつ、またひとつと増えていくことで、
あなたのレンタカーは、ただの移動手段ではなく、“地域と地域をつなぐ発信基地”へと進化していくのです。
地域と共に生きるビジネスモデル
広告というと「お金をかけて出すもの」というイメージがありますが、この“相互広告”は、お金をかけずに「地域とつながる手段」です。
- 自分たちのレンタカーを、地域のお客様に知ってもらう
- 地域のお店を、自分たちの顧客に紹介する
この関係は、ビジネスを超えた「地域連携」そのものです。あなたのレンタカーが、ただの移動手段ではなく、地域情報を届けるメディアとして機能し始めるわけです。まずは一店舗。今日、思いついたお店に足を運んでみてください。きっとそのお店とも良い関係になるはずです。
え、面倒くさい?
それはしょうがないところです。人がやらないことを一生懸命やるから、地域で認知されるのです。大手レンタカーに勝つためには、「安い」だけでは信用されません。足を使った努力も必要です。がんばってくださいね!
このような相互広告を始めると、当然ですが自社レンタカーをどう見せるか?ということも考えなければなりません。地域の建築工具やさんに「関谷お仕事レンタカー」という広告を置いてもらったり、チラシをレジ袋に入れてくれたりしたとき、肝心のあなたのレンタカーについての説明が出来ないと、せっかくの努力が水の泡です。そんなときは、こんなレンタカー専用のホームページを考えてみましょう。
http://digitalconvergence.jp/rentacar/
では!
一緒にレンタカービジネスを勉強しませんか?
全5回の無料メールマガジンで、中古レンタカービジネスを活用している中古レンタカーの成功の秘密を公開しています。
