レンタカー客はチラシで集めろ

レンタカーはチラシが最強

最近ホームページは作ったけど成果にならないという相談をよく受けます。そこで今回は、インターネットより簡単で確実に反応が取れる方法があります。それがチラシ。今日は“レンタカー×チラシ”がなぜ最強なのかをお伝えしたいと思います。

 

クロスメディア戦略って知ってる?

あなたは「クロスメディア戦略」という言葉を聞いたことはありますか?

「クロスメディア戦略」とは、チラシ・ポスター・テレビ・ラジオなどの“アナログ媒体”と、WEBサイト・SNS・メールなどの“デジタル媒体”を連携させて集客する考え方です。

新聞広告を見てQRコードからウェブサイトにアクセスしてもらう「新聞広告→ウェブサイト」

テレビCMから続きはウェブで!と、ウェブサイトにアクセスしてもらう「TVCM→ウェブサイト」

という感じで、複数のメディアを組み合わせて、商品やサービスを宣伝する広告の仕組みが、まさにその典型です。

 

この発想は間違っていません。むしろ、情報があふれる今の時代には「1つの媒体だけで人を動かす」のが難しくなっており、複数のタッチポイントを持つことの重要性は高まっています。アナログとデジタル、どちらか一方だけでは届かないお客さんにも、複数の媒体をかけ合わせることできっかけが増え、反応が出やすくなるのです。素晴らしい集客の仕組みだと思います。

・・と、この話しを聞くと、いかにも良い感じに聞こえますよね!

実はこれ・・あまり機能しないことが多いのです。

ろくでもないクロスメディア戦略

その代表例が、テレビCMの「続きはWebで!」というフレーズ。立派なCMを打って、好感度の高いタレントを使っても、視聴者のほとんどは実際にスマホで検索などしてくれません。

なぜか?

  • 面倒くさい
  • 忘れる
  • そもそも興味がそこまでない

これが人間の行動心理です。つまり、アナログからデジタルに飛ばすための動機づけが弱いと、コンバージョンが発生しないのです。実際に私はテレビCMからウェブサイトへの誘導を行っているのでよくわかります。テレビの視聴率から推察される閲覧数のわりに、ウェブサイトへやってくる人数の何と少ないことか。。もうこれは「我が社はテレビCMを流して満足している企業だ」という経営者の自己満足でしか無い状況です。クロスメディア戦略としては大失敗していると言わざるを得ません。

 

そしてもうひとつ、見落とされがちな事実があります。それは、クロスメディア戦略の成否は、扱う「商材」によって大きく左右されるという点です。高額商品やBtoB商材、抽象的なブランド広告などは、たとえ多くの人の目に触れても、そこから即行動にはつながりにくい。つまり、「つながりにくい商材」でクロスメディアをやっても、広告主の自己満足で終わるケースが非常に多いのです。

 

レンタカーとチラシは、相性がいい

そんな中で、レンタカーという商材はどうか?これは、クロスメディア戦略と非常に相性が良いと思います。特にチラシです。

レンタカーというビジネスはこんな特徴を持っていると言えるでしょう。

  • 使う場面がすぐ思い浮かぶ(帰省、旅行、引越し、農作業など)
  • 「今すぐ借りたい」という即時性がある
  • エリア商売で、地域を限定できるので競合が少ない
  • 値段もそこまで高くないので、意思決定が早い

つまり、「チラシでレンタルニーズを喚起させてウェブで予約」までの導線が非常にスムーズに成立する商材なのですね。実際、とある地方都市では「地元2km圏内にだけチラシを配布」して、そのチラシから「ウェブ予約特典」で誘導することで、ホームページ経由の予約が右肩上がりに伸びています。

 

高額な広告費も必要なく、SNSの運用工数不要

「近所の人に紙で伝える」ことから始めるだけで予約が取れる。これが、レンタカーにおける地に足のついたクロスメディア戦略です。そしてこのクロスメディア戦略、私たちのような地域密着型のレンタカー事業者こそ、すぐに取り入れるべき手法なのです。地域のお客さんは「ネットで検索して、比べて、予約」という行動をとる前に、まず近所にあなたのレンタカー店があることを知らないケースが圧倒的に多いからです。ホームページができたら自社のInstagramで告知?やめましょうそんなこと、数十万のフォロワーがいるならまだしも、友人知人と少数の顧客しか見てないInstagramで発信しても誰も見ません。時間の無駄です。その時間を使うなら、魅力的なチラシを作ってポスティングに行ったほうがよっぽど成果に繋がります。

 

ホームページは作った。で、次は?

  • とりあえずホームページは作った
  • Googleビジネスプロフィールも登録した
  • 予約フォームもあるし、あとはお客さんが来るだけ…

 

そんな状態で止まってしまっているお店が、実は非常に多いのです。

確かに、ホームページは今やレンタカー営業の基礎となるものです。魅力的なホームページは必須です。でも、基礎があるだけでは、誰も見に来てはくれません。レンタカーを探している人が、たまたま検索して見つけてくれる?そんな偶然を期待していては、地域密着型のビジネスは成り立ちません。とくに地方エリアでは、競合が少ないぶん「検索される機会」も少なく、待っているだけではホームページは無人の看板のままとなってしまいます。

 

 

インターネット集客よりも、もっと簡単な方法を選べ

 「SEOが~」

「MEOが~」

「SNS戦略が~」

と、難しそうな話をする前に、もっと簡単確実に反応が取れる方法があります。それが 紙のチラシ です。「今どきチラシ?」と思うかもしれませんが、実際レンタカーを探す人の大半は何となく借りたい層や、車がなくて困っている日常生活者です。その方たちに「あなたの近くですぐ借りられるレンタカーありますよ~」と最初に気づかせるには、紙のチラシが実に有効です。

 

 

チラシは検索させるためのスイッチ

実際に、チラシを配布したエリアでは「レンタカー ○○町」などの地域名検索が増える傾向があり、紙がきっかけでスマホ検索という動きが多く見られます。ホームページは「借りようとした人の着地点」ですが、チラシは「その行動を起こさせる最初のスイッチ」なのです。ホームページを活かすには、見に来てもらうための導線が必要で、その導線として、最もシンプルで効果が見込めるのがこの エリア限定の紙チラシというわけです。

 

まずはホームページを見せる工夫から

インターネット集客は奥が深く、成果が出るまでに時間もコストもかかります。でも、チラシなら配るだけで、すぐにホームページへの動線が作れます。最初の一歩としては、これ以上にわかりやすく実行しやすい方法はありません。作って終わりのホームページを、集客ツールに変えるために、まずは紙から始めましょう。

 

地域密着レンタカーはピザ屋を真似ろ

東北のある地方都市で、地域密着レンタカーを運営している会社があるのですが、彼らと一緒に行ったのは「宅配ピザの集客術」です。宅配ピザは、出前を届けられる距離=集客エリアです。そのため、チラシも配布エリアを厳密に区切り、「◯丁目◯番地までのエリア限定!」と決めて徹底的に巻きます。その自動車販売店もこの手法をそのまま採用。自社の車を貸し出せる距離を「商圏」と定義し、エリアを2km圏内に絞って毎月チラシを投入しました。このチラシには「WEB予約限定1,000円引きクーポン」を掲載。受け取った人は紙を手に取り、そこからスマホで検索し、ホームページへアクセスして予約へ、という流れが生まれたのです。

 

チラシはホームページの入り口にすぎない

「チラシで予約は取れない」そう思っている方も多いですが、チラシは「ゴール」ではなく「入口」です。今どきのお客さんは、チラシを見てからスマホで調べ、ホームページを読んで納得してから予約する。つまり、ホームページを見てもらうための手段としてチラシが効いてくるのです。チラシだけで完結する予約は1〜2割程度。残りの8割は、いったんホームページを見てから、という流れになりました。この構造がわかれば、「ホームページを作って終わり」では足りないことがよく分かります。見てもらうための道を作ってあげる。それがチラシの役割なのです。

 

チラシを作るときの5つの鉄則

 

反応が出るチラシはこう作れ

単に「レンタカーやってます」と告知するだけでは、お客さんの心は動きません。反応が出るチラシには、いくつかの「型」があります。成功事例にもとづく5つのポイントをご紹介しましょう。

1)エリアを絞る:「どこに配るか」をまず決める

まずは「誰に届けるか」を決めましょう。

レンタカー事業は、遠方からではなく車で10~15分以内の地元客が中心です。

例:○○町・△△地区など、1,000~2,000世帯くらいの範囲に絞る

宅配ピザが配れる範囲を参考に、「集客可能な商圏」=「配布エリア」とすることです。地域を限定することで、反応の質も上がります。

 

2) 利用シーンを具体的に描く:「自分ごと」にさせる

お客様がチラシを見たときに「これは私にも関係あるかも」と感じてもらうことが重要。そのために利用シーンを具体的に伝えます。

・実家のある◯◯町に帰省中、地元でちょっと動きたい

・子ども連れで週末だけ◯◯公園に行ける大きい車がほしい

・農繁期だけ軽トラを使い、稲を運びたい

こうしたよくある状況と写真や短文をセットで紹介すると共感を生みやすくなります。

 

3) 紙面設計はスマホで続きを見たくなる構造に

チラシで予約完結を狙うのではなく、ホームページへの誘導が主目的。そのために、チラシはきっかけと動機づけに特化させます。

紙面構成の例:

目を引くキャッチコピー(例:「週末だけミニバン、借りられます」)

利用シーンの写真+一言コメント

レンタカーとレンタル価格の一例

QRコードと「WEB予約で1,000円OFF」などの特典

連絡先

こんな感じの構造です。

 

4) 反応率を高める“特典・クーポン”を忘れずに

行動を起こしてもらうには「得する理由」が必要です。

・このチラシを持参すると500円引き

・QRコードからの予約で洗車サービス無料

限定性をつけるとさらに効果的です。(例:「6月末まで限定」など)

 

5) 誰がやってるのかが見えると安心

地域密着型のレンタカー事業では、「顔が見える」ことが信頼につながります。

事業者の写真、地図、連絡先をしっかり掲載

「地元で○○年やってます」「○○中学校のそばです」など、地域とのつながりが見える情報を盛り込む

 

いいチラシとは、見た人がスマホを手に取り、ウェブサイトで詳細を確認し、予約まで進むような導線をつくる紙です。レンタカーのチラシはどんなお客さんに、どんな場面で、どんなサービスを、どう届けるか。この「4つのどんな」を埋めることで、反応率がガラリと変わります。

 

 

インターネットの時代に、なぜチラシ?

地域密着のレンタカーこそ「配布先を絞れる」「自分たちの都合で出せる」紙媒体は強力です。来月はポスティングを試してみませんか?宅配ピザと同じように、地図にマーカーを引きながら自社の集客エリアを塗り分けていくことから始めてください。面倒くさいけども確実に集客できます。

ぜひ実行してみてくださいね!

 

 

追伸です。

ちなみに、店舗で一番役立つ販促物はこれです。チラシを作ったらこれを20枚購入して掲げましょう!