お客のニーズを満たす販売方法とは

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クルマの販売において「お客のニーズ」とは一体なんでしょう?

”ニーズ”日本語でいうと”欲求”ですね。
「仕事で大きいはしごを乗せたい」
「家族で5人でドライブしたい」
「速いクルマが欲しい」
「女にもてたい」
「友人に自慢できる車が欲しい」
「何かをしたい。だから○○○○なクルマが欲しい(必要)」という考え方です。
例えばA君はスカイラインが欲しいとしましょう。このA君の欲求は「スカイラインが欲しい」ということではありません。A君のニーズは、「速く走りたい」「友達より速いクルマを買って自慢したい」「だから友達のクルマに負けずに速く走れるスカイラインが欲しい!」ということです。もしこのA君がお店にやってきて「R33のスカイラインを探しています」といわれたら、あなたはきっとA君の希望に合わせて予算に見合うR33のスカイラインを探してあげたり、オークションで予算内のバックオーダーをとるよう営業するはずです。結果的にA君の予算に合うクルマが見つかって販売できれば良いですが、もし希望に合うスカイラインがなければ、きっとA君は他店に行ってしまうでしょう。あなたのお店には希望のクルマはないわけですから、「う~ん・・今その金額のスカイラインはないんだよね~」というしかありません。売りようがありませんね。
ところが・・・会社から「お客の真のニーズを聞き出せ!」と教育されているお店やデキる営業マンは、あなたのお店の店頭に並んでいるRX-7をA君に提案することができます。このA君の真の欲求は、「R33スカイラインが欲しい」ということではありません。「速く走りたい。」「友達より速いクルマに乗りたい」だから、スカイラインが欲しいということです。ですからあなたはA君に対して、「同様の予算等の条件のなかでR33より速く走れるクルマがあるんですけど興味ありますか?」と提案できればA君のニーズを満たす販売ができるわけです。

 

「そんなことオレはやってるよ!」とお思いのあなた。本当にお客のニーズを把握して他のクルマを提案していますか?単純にスカイラインの在庫がないからRX-7を勧めていませんか?「いや~今スカイラインないんだよね~あっ!そうだ!来週RX-7が入荷するんだけどセブンなんかはどう?」こんなのはニーズに沿った提案ではありませんよ!これではA君に「いや、セブンは欲しくないです。いいですまた来ます。」と言われてしまいます。(言われていませんか?)希望通りのスカイラインがないからといって似たようなスポーツカーを勧めていても売れませんよね。A君はスカイラインが欲しいわけですから。

 

でもこれが、しっかりとA君のニーズを把握できていれば、なぜA君がスカイラインを探しているのか?を汲み取ることができます。「なるほど・・A君はそういう理由でスカイラインが欲しいんだ~。ところでA君、実はスカイラインはとっても速いクルマだけど、公道ではボディが大きくて取り回しがムツカシイし、目立つのは最大パワーだけなんだよ。むしろ友達より速いクルマが欲しいなら、実は公道ではRX-7やランサーなんかの方が全然速いんだよ!知ってた?え?なになに? 友達はみんなスカイラインなの?へぇ~ならなおさら友達とは違うクルマの方が格好良いんじゃないかな~。首都高を走りたいの?なら絶対にRX-7の方が速いし走りやすいよ!現に小さいサーキットでもタイムはスカイラインよりRX-7の方が早いんだよ!」なんていう提案もできるわけです。ディーラーなどのメーカ系販売店でも、売れる営業マンは決まってお客の真のニーズを把握して、一番役に立つアドバイスを提案してクルマを売っています。
よく話しに聞きませんか?目当てのクルマを買いにディーラーに行ったら、帰りには全然違うクルマをクルマを買って帰ってしまった!なんていう話を。これは営業マンの巧みな話術で違うクルマを売りつけているわけではありません。商談中に、お客がそのクルマを欲しがる本当の理由を正確に聞き出し、そのお客に合った本当に良いクルマを提案した結果なのです。

「OOが欲しい」

『なぜOOなの?』

「犬と一緒に海岸で散歩したいから」

『ならOOではなくシートが防水加工されている△△が良いですよ!』

「なるほど!△△かぁ~!」ということなんですね。
実はわたしも、メルセデスのEクラスあたりのクルマが欲しいな~なんて考えています。かといって、別にメルセデスでなければ絶対にダメというわけではありません。
私の真のニーズは「運転していて後ろからあおられないクルマ」もし私が普通にクルマ屋さんに行って、「メルセデスが欲しいんだけど」といった時に、そのお店にイメージ通りのクルマが在庫していれば良いですが、なければそのお店との接点はなくなってしまいますね。ところがそのお店の営業マンが、「メルセデスが欲しい」という表向きの欲求ではなく、私の本当のニーズ「迫力のあるクルマが欲しい」という”真のニーズ”を聞き出すことができれば・・「Eクラスのメルセデスも良いですが、実はメルセデスよりここに在庫しているこのBMWの方がよっぽど迫力ありますよ!ちょっと見てくださいよ!ほら!迫力あるでしょ?フルエアロがついているでしょ?これが良いんですよ!格好良いでしょう?前のクルマのバックミラーに写るこのフロント部分の迫力はBMWの方がいいですよ!車高も低くて迫力あるし、絶対お勧めですよ!!」なんて提案をされたら、考えがコロッと変わってしまうかもしれません。

もっというと、「へえ、迫力のあるクルマ欲しいの?それなら、メルセデスなんてやめて、昔のハイエースやキャラバンホーミーの方がよっぽど怖いよ?ちょうど今下取りでホーミーのフルスモークが入荷するけどどお?ベンツより断然安いよ?」なんていわれたら買ってしまうかも・・・。とにかくただ売れそうなクルマを仕入れてなんとなく相場通りの値段をつけて売っているだけでは、他のクルマと同様に比較されてしまい、クルマの価値をアピールすることなどできないわけです。クルマの車種や年式、グレードや走行距離などという「ハード」の側面だけでなく、お客のニーズを満たす”ソフト”の面からもお客にアピールする方法を考えてみて下さい。
例えばこんな方法でお客のニーズを掘り起こすことができます。今までの中古車販売店では、中古車の”ハード”の面だけをみて販売をしてきました。クルマ本体でのみ競争してきたわけです。ですからちょっと他店より高い価格をつけてしまったり、走行距離が多いクルマを売っているだけで、お客の比較対照から外れてしまいます。では、そのクルマをお客のニーズを満たす”ソフト”の部分で再構築し、アピールしてみましょう。
例えば【アレルギー】というキーワードで考えてみます。何かのアレルギーを持つ子供の親にとって、中古車を選ぶ時のニーズは走行距離や年式ではありません。「子供のアレルギーの発症を予防できるクルマがあるかどうか?」です。つまりホンダとか日産とか走行距離などではなく「アレルギーが出ないクルマが欲しい!」というニーズがあるということです。

 

では『子供のアレルギー発症を抑えたい!』というニーズを満たす中古車販売とはどのようなものでしょうか。「エアコンフルオーバーホール済み!エアコンフィルター全車設置済み!当店の中古車はアレルギーの原因となるカビやほこりをシャットアウト!」とか、「アレルギーでお困りの方に朗報です!クルマに乗ったときの「くしゃみがとまらない。涙が出る」などの症状は車内のダニやほこりによるものです。当店のクルマは、提携先の専門業者による徹底的な車内クリーニングにより、車内で発生するアレルギー原因物質を徹底的に除去しています。クルマに乗るとアレルギー発症で外出に不安があったあなたも、このクルマならば安心してお出かけすることが可能になるはずです!」などという、お客のニーズに的を絞った戦略な営業が可能になります。

もしあなたのお店が、仕入れたクルマに対してアレルギー対策クリーニングを全台施して販売することができるとしたら・・。全国から沢山のお客が殺到するはず。このクリーニング対策に外注原価が5万円かかるとしても、売価を10万円以上高くしても全然OKなのではないでしょうか?車両販売相場価格が100万円だとしても、アレルギー対策済みのあなたのお店のクルマは110万円でも115万円でも全く問題なく売れるはず。

そうですよね?他のクルマにはない、アレルギーを持っている人に必要なニーズを満たして付加価値をつけているわけですから。クルマに対してこのようなニーズをもっている人には、100万円の程度の良いクルマは魅力的ではありません。それよりも、子供を安心して乗せてドライブに行けるアレルギー対策済みの120万円のクルマの方がお客のニーズを満たすでしょう。走行距離や年式といった”ハード”な判断基準ではなく、ユーザーのニーズや欲求を満たす”ソフト”に焦点をあてた販売方法を心がけてみてはいかが?アレルギーに限らず色々と方法があるのです。

   

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