このようなお客とのやりとりについて、あなたはどう思いますか?
メルセデスをセールスしている時の話ですが、40代の女性のお客さんからこのような質問を受けました。
「このクルマは以前はどのような方が乗っていましたか?」
このクルマはUSSでの業販仕入れです。お店も入れたばかりのクルマでしたのでこの営業マンも、初めてお客と一緒に詳しく現車を見たような状態だとしましょう。このような状況で、あなたはこのお客さんにどのように回答しますか?
例えば「これはオークション会場で仕入れたクルマですので良くわからないですね~」ですか?
それとも「下取り車ではないので、知らないのですがとってもキレイなクルマですね~」でしょうか?
我々プロは前のオーナーなどいちいち気にしていませんね?これは当然だと思います。でもお客はとっても気になるわけです。そこである営業マンはどのように答えたか・・・。
「直接前オーナー様にはお会いしたことはないのですが、これだけキレイに乗っていたことを考えますと、とても素敵な方がお乗りになっていたのではないでしょうか?どこにも傷みもありませんし、さぞかし上品な方だったのではないですか?お客様のような方にぴったりのクルマですね。」
といったのです。
これを聞いたお客はその瞬間どのように思ったか?自分の頭の中で、勝手に素敵な前オーナーの姿を想像してくれるのです。どのような人を想像するかは人によって違いますが、ある人は芸能人かもしれませんし、ある人は医者の奥さんか、一流企業の社長婦人を想像するかもしれません。いずれにせよ、その想像した瞬間からお客の中でこのメルセデスの価値はグンと上昇したのは間違いありませんね?
さらに今度は自分が運転している姿を想像してしまったようです。このメルセデスで銀座のサロンに乗り付ける姿か、近所の奥様方と白金にでもお茶をしに行く姿か・・・。こうなるとさらにクルマの価値は上昇します。まるで自分が運転するためにあるような状態になるのです。お客の買いたいスイッチが押された瞬間です。このメルセデス、その週末にめでたく奥様と契約になりました。理想的なセールスですね。
ではこれをインターネット上で再現する事は可能でしょうか?もちろん可能です。
このように解説してみましょう。
「このメルセデスは○○オークションで仕入れ担当者が一目惚れして仕入れたクルマです。他にもいろんなクルマ屋さんが狙っていましたが、是非ともうちで売るべく頑張って仕入れました。整備記録によると、どうやら前オーナーは女性のようですが、クルマの状態から考えると、とっても上品な奥様だったのではないでしょうか?室内もとてもきれいですし、大切に乗っていたのか私には良くわかりました。きっと素敵な方だったのではと思います。それにこのクルマは…etcetc」
インターネット上でもお客の想像力をかき立て、いますぐ買いたい欲求を煽ることは可能なのです。