中古車店が行うべきブランド化とは

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前回の続き、「お店のブランド化」の後半です。前回お伝えできなかった箇所をお話いたします。

前回は、お店をブランド化するにあたり、ファッション業界で既に取り入れられている手法「セレクショップ」という販売手法について取り上げました。アジアというライフスタイルでひとくくりにすることによって、アジアンチックに憧れているお客に「提案することができる」お店になります。お客は、アジアンスタイルの達人である店員のアドバイス通りに商品を購入してくれるようになるわけです。こうなると、商品ではなくお店自体が「アジアならあの店!」というブランド化に成功することができるわけです。

そのブランド化をクルマ屋で成功させているお店があるとお話しました。そのお店のカテゴリは、「スノーボード&サーフィン」です。スノーボードとサーフィンの得意な店主が、「スノーボードやサーフィンを楽しむライフスタイルにはこんなクルマが似合いますよ!」と、提案しながらクルマを売っています。当然近隣のクルマ屋さんとの価格競争に巻き込まれることはありませんし、比較されるようなこともないわけです。そのお店に出入りしているお客は、何年式のOXではなく「そのお店に展示してあるクルマ」が欲しいわけですからね。こうなるとお店としてのブランド価値は一気に上昇することになります。価格主導の販売方法ではなくなりますので、主導権がお客からお店側に移り、良い意味での殿様商売ができるようになるわけです。

今までのあなたのお店では、「この店は16年式のパールのセルシオが200万かぁ~ちょっと高いなぁ~~」というふうに、「諸条件と価格」だけで評価されていたわけです。これを車両価格以外の価値観で評価してもらえるような店作りを目指してもらいたいと思います。「何の特徴もないうちの店ではそんなの出来ないよね~」っと考えているあなた。そんなことはありません。早速、明日からあなたのお店でもをブランド化してみましょう。実際に私にご相談いただいて成功したお店のブランド化構築を紹介いたします。

 

あなたのお店の従業員で何かに熱中している人はいませんか?野球やサッカーやスノーボードやキャンプなど、こだわりを持って休日をエンジョイしている営業マンやメカニックはいませんか?お店のメカニックはスノーボードが得意だとしましょう。そこで、そのメカニックにこう問います。「もしキミが最高の状態でスノーボードに行くのなら、どんな道具で、どんなクルマで、どんな設備を着けて行きたい?」というように質問してみます。

そのメカニックはこのように答えます。「室内で着替えることができて、高速で安定性の高い3ナンバーの1BOXカーで行きたいです!ブリジストンのスタッドレスタイヤが装着してあって、念のためにゴムチェーンも積んであると安心です。スノボの板が傷つかないようにルーフBOXがあると室内が広く使えますからね!小物は、解凍スプレーや軍手・懐中電灯があると良いでしょう。その他には、板はOXOXで、ブーツはOOOOで・・・・・・・・・・・」と、本人も納得できる最高のスノーボードカーを想像してくれました。
彼は「そのクルマでならば安心してスノーボードを楽しめる」と、太鼓判を押したわけです。
お店では実際にでA君希望通りのクルマを作ってみました。展示車にルーフBOXを付けて、スタッドレスを付けて、ヘッドライトを取り替えて、ゴムマットを室内に敷き、雪山走行に必要であろう小物までも装備しました。更にスノーボード一式もオプションとして販売する計画です。クルマ本体と、雪山走行の装備と合わせてさらにスノーボードも一緒に販売しようと考えたわけです。「このクルマを買えば本当にそのままボードに行けますよ!しかも、クルマのプロとスノボのプロが確かな品質のものをセレクトしているので間違いありませんよ!」というトークでセールスしたわけです。

 

実際に売り出す段階で、店長と私とでターゲットを20代前半のスノボに行きたい女の子に絞ってしまったので、当初のメカニックの理想通りにはいきませんでしたが、ワゴンRをスノーボードカーに仕上げました。「当店スノーボードが得意のA君が全て自分自身でセレクトしました!絶対に間違いのないスノーボードギア3点セット(バートン社製)に、安心して雪山を走行できる雪道装備全てのセットをお付けしてこの値段!この一台を購入すれば一切の追加費用は発生しません!更に、1シーズン20日間も滑りに出かけるA君からのアドバイスも受けられます!」と、展示場の一番良い所で販売を行いました。

 

どうなったと思いますか?
販売開始時期は11月下旬。
手付けをもらったのは12月中旬(!)
売れたんです。

購入者は19歳になる女の子で、お父さんと来店されて興味を持って頂き、来店の一週間後に手付け金を頂きました。手付けの入金後には、メカニックのA君も商談テーブルに着席して、雪山走行の注意点から初心者向けのお勧めスキー場のアドバイス・小物の装備品の使い方までレクチャーしたようでした。A君も自分でセレクトした品物ですので、自信を持って説明できたと喜んでいました。とてもうれしかったようです。そりゃそうですよね。自分でセレクトしたクルマやパーツが丸ごと売れればうれしいに決まっています。

売上明細的には、後付けパーツはほぼ原価に近い金額ですが、取付工賃は正規に上乗せした価格設定で頂戴することができました。納車時には私もお店に出向き、お客さんに感想を頂くことができました。一昨年からスノーボードを始めて、自分の運転で行きたかったそうです。色々相談できる人が居なくて困っていたときに、このようなパッケージカーの話を父親から聞いて、購入しようと思ったそうです。「自分であれこれ調べて購入していくよりパックになったものの方がわかりやすいから」というのが購入動機です。

あなたのお店でも同じようなことができませんか?スキー・スノーボード・キャンプ・夏の海水浴・サーフィン・釣り・カラダの不自由な方の送迎車などなど。クルマ本体だけを売るのではなくて、「使い方を提案してあげてパッケージ化する」ということです。もちろん他の店のワゴンRと比較されるようなことはありません。いくらで売るかはあなたの自由なのです。

 

   

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