中古車販売店の動画配信

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とある中古車店さんからのお問い合わせ。

こんにちは、お久しぶりです。これは僕が前から思っていた事なんですが、一言でいうと「動画」です。当社のホームページでもこれからしていきたいと思っているんですが、当社在庫の中古車を動画でのせてみたいんです・・・。もうすでにされている所があるかもしれないですが・・・。車は動くものです。その車を静止した写真だけで掲載するのは少し寂しい気がします。別に、走行している様子を動画で撮らなくてもいいと思います。展示車の外装や内装を順番に撮るだけでも効果があるような気がします。ちょとだけエンジンを空ぶかしなんかしてみたり、装備されている機能を順番に説明してみたり。ホームページ以外に店舗内でもその動画を流しておいても面白いと思います。一番良いのは店舗前を走っている車から見えるくらいのモニターがあれば良いと思うんですが、さすがにそんなに大きなスクリーンは費用がかかりそう・・・。でももし、目の前に展示してある車の動画がモニターで流れていたら面白いと思いませんか?

 

ということで、動画配信についてです。

やっと最近インターネットの世界でも、動画配信がビジネスとして成り立ってきました。例えば映画。コンテンツとして、ブロードバンド環境が整ってきたことを受けて、いよいよスタートし始めています。他には動画ではないのですが、3Dという技術があります。例えば「ナイキ」のサイト。商品をマウスでぐりぐり回転して見ることができます。新車メーカーでは、フラッシュというWEB技術を使って、クルマの外板色を入れ替えるような操作ができるようになっています。これらのような動画を含めた最新技術も、クルマを販売する技術として取り入れていくことも当然考えなければなりません。

 

その際に考えなければならないことがいくつかあります。1つめは「投資費用」動画配信設備で何千万もかかるようでは、とても導入できません。2つめは「運営コスト」この場合のコストというのは、人件費や労力のこと。いくら素晴らしい仕組みでも、入力などの運営に膨大な時間や手間がかかってはしょうがありません。そして3つめは「顧客のニーズ」顧客は本当に『クルマを動画で見たい』と思っているのかどうか?同じクルマを、写真から動画にすることで販売率に差が出るのかどうか?このあたりをじっくり検討してみたいと思います。インターネットは、急速に市民権を得てきていて、何かを買ったり調べたり・・というのはすべてネットで済ませてしまう。なんていう方も増えておりますが、テキストを送信するだけだったインターネットは、ADSLやFTTHの普及で、あっ!という間に、巨大写真や膨大な映像をやりとりできるようになっています。特に映像配信は、どこのプロバイダーやキャリアも力を入れていて、コンテンツが充実してきています。映画とか音楽とかですね。

「動画技術は、我々クルマの販売にどのくらい影響があるのか….」ということですが、お客の立場で考えてみますと、情報量が多ければ多いほど、お客の購入する判断材料が増えますので良いことだと思います。今までは、写真の画像情報に加えてテキストを使って説明を加えていましたが、例えば「お客さん!このクルマの排気音は最高ですよ!」と、言葉で具体的に説明して理解してもらわなければならないことが、映像や音声データだと、動画と音声を使って、アクセルを踏んでいる所を撮影し、「ぶぉぉぉ~~~んん!」という映像を流せばいいだけですからね!画像よりは当然、お客の欲しい気持ちを煽る為に有効だと思います。ただし、ちゃんとした映像であるならば・・・・ですが。
みなさんもネットサーフィンしている間に、色々な画像を流すサイトを見たことがあると思います。ニュースサイトでの、ニュース映像の動画や、何か商品を購入する時のショッピングサイトで、「実際の映像はこちら!!」などとなっていて、クリックしてみると、ウインドウズのメディアプレーヤーが起動して商品の映像が流れたり・・。マンションの販売サイトでも活用されていますね。室内360°表示とか。みなさんそのような動画を見たときの感想ってどうですか?
ガッカリすることがほとんどではないでしょうか?違います?私はいつもガッカリしています。『映像が粗い』『映像が小さい』『映像が短い』不満ばかりなよう気がします。
私は、中古車を動画で表示させて販売する手法については、否定的です。なぜそう思うかといいますと、クリックした人(クルマの購入者)の「期待を満足させられない。」と思うからです。

インターネットユーザーは、「テキストよりは写真」「写真よりは映像」の方がより情報量が多いと、無意識のうちに考えています。パソコンの画面上でクルマのキレイな写真や、表現力豊かな解説コメントを読んでいるユーザーは、「おぉ~!このクルマかっこいい~~!!」と、想像力を膨らませてドキドキワクワクしている所に、「このクルマの動画はこちら」などというリンクがあれば、当然興味を持ってクリックします。「そのクルマのことをもっと理解できるだろう」と思って。お客は無意識の中で、「動画なんだからもっと詳しくこのクルマが理解できるに違いない」と思ってクリックしています。期待しているわけです。で、いざ再生されるクルマの動画が、映像が粗く時間も短いものだったら・・「なんだよ。これじゃぁわかんねぇよ!」となるのです。つまりマイナス効果。これではやらない方がましです。

 

配信しようとしているクルマの動画がとても高解像度でキレイなものだとしたらこれはとても有効です。例えばどのくらいきれいな動画だったら良いのかというと、高解像度で撮影した写真が実際に動画になったくらいですね。パソコン画面にデカデカと表示されたクルマの詳細な画像が動き出すくらいでしょうか。数値でいうと最低でも4M以上は必要でしょうか。そのくらいのビットレートで動画を流せば結構細かく表示できますので、お客の欲しい感情に対して強力にアピールできて効果は高いと思います。

でも実際には、クルマを動画で見せているお店や他業界の動画を見てみても、とても「欲しい!良く(商品が)わかった!」と言えるような動画配信を行っているサイトは皆無に近いと思うのです。というか、ありません。私自身も、動画を見て商品が欲しいと思ったことは一度もありません。動画配信というものは、配信する側のエゴであることが往々にしてあるので注意が必要です。

ちなみに、某中古車サイトで動画配信がされていますが、(※お客の購買意欲を煽る目的としては)とてもお客の期待を満足できる状態にあるとは思えません。(販売促進以外の違う目的だとしたら話は別ですが(話題性とか、珍らしさとか)….。なぜそんなに言い切れるかというと、「実際に実験して試してみたから」です。ネットでクルマを購入したユーザー何人かに、幾つかのビットレートで撮影した動画のクルマを、ネット上で見てもらいました。その結果は、全く期待はずれ。。「このくらいの動画では、あんまり理解できない。」「欲しいとは思わない」「よっぽど写真の方がわかりやすい」大体このような感想です。これを聞いて、「写真の次は映像販売だ!」と思っていた私も考えを改めました。「コトバ」が重要なインターネットでは、動画へと進化していくよりも、画像とコメントを重要視して極めていった方が、より反応が得られるはずだ・・・と思ったのです。新車の販売や、同一商品を販売する場合は映像を配信することも考えられます。しかし、我々の場合は一点物の商品です。対費用効果が悪すぎです。
新しいものに目移りするよりも、お客は何を望んでいるのか?
を、しっかり考えることで、無駄なサービスを使うミスをすることを防ぐことができます。

 
お客は、あなたに何を望んでいるのでしょうか?

   

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