お客があなたの店を利用しなくなるポイントはどこにあるでしょうか?
「気に入ったクルマが無いとき?」
「買ったクルマが故障したとき?」
「あなたの対応に問題があったとき?」
もちろんそういうケースでお客が離れていくこともあります。しかし、一番のポイントはもっと前。購入直後に潜んでいます。お客が「やっぱり中古車店なんかでクルマ買うもんじゃないな・・」とおもうポイントは、「契約してから納車するまで」にあります。なぜか?
お客は、契約した瞬間、ハッと我に返り、冷静になります。
「勢いて買ってしまったけれど良かったのか?」
「本当にこのクルマで良かったのか?」
「他の店にもっと良いクルマがあるのではないか?」
「そもそもこの店で買って良かったのか?」
買うまではあれこれと夢が膨らみますが、クルマを購入した瞬間、自分の判断に疑問を持ち始めます。そんな不安になっているお客を満足させられるサービスを提供できていますか?お客の不安を払拭できるサービスをおこなっているでしょうか?中古車販売店の接客において忘れてはならない重要なポイントが一つありますので覚えてください。それは、契約するまでは「セールス」ですが、契約以降は「アフターフォロー」の考え方で対応しなければならないということ。セールス中は、あなたあの手この手でお客の注意を引き、クルマの説明を行い、お店を良く見せ、「今週買わないとAAに出品しちゃうよ、、」とお客を煽り立てます。しかし、契約した瞬間、手付けの入金があったあとは自分でも気づかないうちに安心してしまい、対応がおざなりになってしまうのです。整備期間に説明や書類の郵送手配、引き渡しまでの連絡を、つい引き延ばしてしまったりしていませんか?日々の雑用に追われて今日電話するべき内容を明日にしてしまっていませんか?購入するまでは毎日売り込みの連絡をしたにもかかわらず、入金後は安心してしまい基本的な連絡を怠ってしまうお店が多いです。
お客は、クルマを買った瞬間、自分の判断が正しかったかどうか不安になっています。そんなナーバスになっている時期だからこそ、
「約束を守る」
「納期を確実に伝える」
「報告を怠らない」
など、当たり前の事を、わかりやすく大げさなくらい当たり前に行う事が重要です。「セールス」ではなく「アフターフォロー」の考え方で納車までのお客とのやりとりを行わなければなりません。「本当に買って良かったのか?」と悩んでいる時にあなたの対応がおざなりだと、お客はあなたの店でクルマを買った事を後悔するようになります。もちろん、納車の時には喜んでくれます。「ありがとう!」と。クルマがくるのですからうれしいのは当然です。しかし、心の中では「あなたの店で」クルマを買った事を後悔しています。
その理由は、本当に些細なことだったりします。
「今日来るはずの連絡が来なかった」
「午前中指定で届けてくれと頼んだ書類が午後に来た」
「納車日の連絡が来ない」
「店(あなた)の対応が悪い」
などの理由で、「やっぱりしょせん中古車屋だな」などと思われているかもしれません。納車の時点でもうすでに勝負がついているわけですから、その後にいくらフォローをしようがあなたの元にお客が戻ってくる事はありません。もちろん、納車時には喜んでくれるでしょうし、納車後お土産を贈ればお礼の電話もしてくれます。しかし、心はもうすでにあなたの店のお客ではなくなっているのです。
例えて言うと、「別れる間際の男女関係」っていう所でしょうかね・・。気づいていないのは男の方で、このままず~っと付き合っていけると考えていますが、一方の女性の方はもうすでに心ここにあらず。今の男となんとなく付き合いつつ、次の新しい恋を探しています。そんな男女関係に似ているかもしれません。
契約から納車までの間はあなたのお店の信頼を破壊するもっとも重要なポイントです。電話一本するのでも、メールを1通送るのでも、細心の注意を払って対応する必要があります。その一生懸命さが伝われば、「やっぱりここで買って良かった!」と喜んでもらえる事でしょう。あなたの店は、「本当に」お客に喜んでもらっていますか?「え? 喜んでもらえてるって?」そうですか喜んでもらえてるんですね。じゃぁなんで、納車してから一回も連絡がなく、車検は他の店に行っちゃうのでしょうか。
不思議ですよね
]]>あなたのお店では「納車」に対して何か特別な取り計らいを行っていますか?何もせずに、ただ「引き渡し」を行っているということはありませんよね?我々の扱っている商品は何百万円もする商品です。いまどき数百円の買い物をするのでも「ありがとうございましたまたお越しくださいませ。」と深々とお辞儀をして謝意を表してくれるお店がありますし、ブランド物でも買えば、レジを通り越してお客の目の前まできて商品を手渡してくれます。「カウンター越しに商品を手渡すなんてとんでもございません。」というわけです。お店の出口までお見送りだってしてくれます。数万円の買い物でさえ、どのお店も必死にサービスしている時代です。数百万円ものお買い物をしていただいたお客さんに、「はい納車です。ありがとうございましたぁ~!」っと引き渡すだけで良いのでしょうか?
あなたが初めて自分のクルマを買ったときのことを思い出してみてください。免許を取って初めて自分のクルマを手に入れたときの喜びは、今でも忘れることのないドキドキワクワクした最高の瞬間だったはずです。ところが何年も中古車を売り続け、何百台ものクルマを納車する側になった今、果たしてお客がドキドキワクワクしていることを忘れずに納車ができているでしょうか?
中古車業界は『クレーム業界』だといわれます。実際に私もやっていましたからわかりますが、私も多種多様なクレームを数多く経験し、クレーム対応では本が一冊書けるのでは?と思ってしまうくらい、クレーム処理を行ってきました。しかし、そのクレームが発生した原因は何かと考えてみると、半数くらいは人為的な問題でクレームに発展したケースであったとおもいます。実はクレームの半数は、営業マンやお店の対応に起因したトラブルであるケースがほとんどなのです。お店や担当営業マンが、クルマを納車するまでの間お客としっかりコミュニケーションをとって、良い関係を気づいていれば、クレームはクレームでなくなるのです。
お客は、クルマに対する期待と、お店に対する大きな不安を持ってあなたのお店に来店します。お客があなたのお店に来店したのは、あなたのお店がすばらしいからとか、あなたがお客のために頑張っているからお店に来てくれたわけではありません。単にあなたのお店に、お目当てのクルマがたまたま置いてあったからにすぎません。
・雑誌で希望の車をみつけたから。
・インターネットで検索したらたまたまヒットした。
お客との出会いはまずクルマです。あなたのお店が一生懸命やっているからではありません。単に「そのクルマに興味があったから」という理由だけなのです。
しかしお客は、たまたま出合ったあなたのお店が安心して購入できる良いお店であることを知るのです。
するとお客は、当初クルマにしか興味がなかったものが、次第にお店やあなた自身について関心を持つようになってきます。
・○年式のカローラが欲しい→【欲求】
・条件に合うカローラがあった!→【認知】
・このカローラ本当に大丈夫かな?→【車に対する不安】
・この店本当に大丈夫かな?→【店に対する不安】
・この人本当に大丈夫かな?→【人に対する不安】
お客は、あなたのお店にコンタクトを取る前にこれら3つの不安を抱えています。そしてこの3つの不安、「車」「店」「人」に対する不安が全て払拭されたときに初めて「買おう!」という決断ができるわけです。インターネットに限らず、”クルマを売るために必要な3要素”とは?
お客の「車」・「店」・「人」に対する不安を取り除いてあげること。
なんですね。よく、「ウチは○○○な店ですから安心ですよ!」とか、「○○○なサービスがあるから安心して買えますよ!」などとお客を説得している営業マンがいますが大きな間違いです。セールスの極意は「お客の不安を取り除いてあげること」なのです。
この「3つの大きな不安」が解消されたお客はクルマを買う決断をします。このお客は、あなたがメールや電話でで何度もやり取りして、やっと来店させて契約できたお客です。「買います!」なんという良い響きなのでしょう。「このクルマ買います」サイコーですね。あなたにとって一番うれしい瞬間のはず。契約に至るまで何度もフォローを続けたお客が購入の決断をしてくれたわけですからね。そしてお客を契約に導いたあと、あなたは書類のやり取りやクルマの納車の準備に気持ちが移り、お客の気持ちのフォローをすることを止めてしまうのです。お客が「買います!」と言った瞬間に。お客はクルマを買うことを決断した瞬間から、先ほど説明した3つの不安の他に、実は第4の新たな不安がでてくるのです。
第4の不安とは何か?『買ったことに対する不安』です。「本当に契約してよかったのかな?」「やっぱりローンの支払いもあるし心配だな・・」「もっと違うクルマの方がよかったんじゃないかな・・」という新たな不安とともに、以前の3つの不安もまた少し頭をもたげてきます。この新しい不安である「第4の不安」は、誰もフォローしてくれません。購入することを決断したことに対して不安におもっているわけで、「本当にこの車で良かったのか?」という不安に常にかられているわけです。購入することをあなたのお店で宣言した瞬間は気分が高揚していますから良いのですが、その日の晩・車庫証明書を出しに行く瞬間・頭金を用意しているとき、、来るべき納車の時期が近づけば近づくほど、納車の喜びと同時に後悔の念もまた大きくなっていくのです。
そのときに、お店やあなたの対応に少しでも不備があると、お客は過剰に反応しあなたとの信頼関係にも疑問を持ち始めてしまいます。お客はその不安な気持ちを持ち続けたまま納車の日を迎え、喜びは最高潮なのですがその喜びと同じくらい後悔の気持ちも最高潮に達します。そして・・・故障します。大きな苦情になります。お客はこう言います。「買ったばかりのクルマのエンジンからキーキー音がする!やっぱりここでクルマなんて買わなきゃ良かった!あなたが大丈夫だからっていったから買ったのに。やっぱり信用できない!もうこんなクルマいりません!」と。
でもそれは、表向きの口実です。お客の本音はこうなのです。「○○さんは商談のときは熱心に対応してくれたのに、契約してからはほとんど相談にのってくれない。やり取りが事務的になっちゃったわ!お店に電話してもすぐに連絡くれないし、本当にここで買ってよかったのかしら?やっぱり中古車店ってサービスが悪いのかしら・・」納車後に大きなクレームになる場合、その原因というのは表面上の問題であって、真の原因は営業マンやお店とのやり取りの中でお客と信頼関係が築けなかったことに起因します。
「今日連絡をくれるはずが連絡をくれなかった」
「車庫証明の出し方がわからないのに親身に教えてくれない」
「こちらから連絡をしないと電話がかかってこない」
お店とお客とのコミュニケーション不足が、お客のフラストレーションとなり、納車後に発生するメカニカルトラブルを起点にお客の不満がバクハツするのです。
また、この問題の根が深い所は、あなたやお店自体がそのことを認識していないことです。買うまではお客のフォローに余念がない営業マンも、契約した瞬間に”ほっ”としてしまい、「お客」ではなく「既存客」として取り扱ってしまうことに原因があります。そのことにあなたもお店も気づかないのです。
付き合う前はまるでお姫様のように扱っていた女の子を、いざコトに及んで自分の彼女になった途端、「おいお前」などとまるで自分のモノのように扱ってしまうアホな彼氏と例えればわかりやすいでしょうか。お客はその気配を敏感に察知します。男は、女性とコトを済ませた前と後では、女性に対する接し方を変えてはいけません。「急に態度が変わった!!」と怒られてしまいます。
同様に、契約を決めてくれたお客に対しては、第4の不安を打ち消すべくさらにきめ細かいフォローを行う体制を整えておきましょう。そうすることで、お客にはあなたのお店でクルマを買うという決断をしたことに対して「やっぱりココでクルマを買ったのは正解だった!私の決断は間違っていなかったんだ。」と思ってもらえます。お客は100%満足した状態でハレの納車日を迎えることができるのです。あなたとお店とお客がしっかりとコミュニケーションが取れていれば、納車後に多少不可抗力的なメカニカルトラブルが発生した場合でも、お客は好意的に対応してくれます。「機械だからしょうがないよね。○○さん一生懸命やってくれているし」と。
あなたなら、契約してから納車するまでの間にどのような方法でお客の気持ちを盛り上げますか?
または納車に向けてどのようなイベントを行い、お客にサプライズを与えますか?
・整備中の画像をメール送信する。
・納車までの進行状況を逐一メールで報告する。
・納車時に営業マンがタキシードで引渡し。
・引渡しはメカニックも含む全社員が整列してお祝い。
など、色々できますよね。
お客の不安
「クルマ」「お店」「店員」
3つの不安を取り除くサイトを作りましょう!
]]>コンビニがいい例です。コンビニに入ると「こんにちはいらっしゃいませ」「ありがとうございましたまたおこしください」ファミリーレストランでもそうです。「いらっしゃいませ○○○○へようこそ」「ご注文をくりかえさせていただきます」「ご注文は以上でよろし“かった”でしょうか?」「ありがとうございましたまたおこしくださいませ」全て棒読み。マニュアルどおりでキモチのかけらもありません。
こんな接客で店員との信頼関係は作れませんよね?こんな勉強してもダメなんです。営業トークを磨く上で一番多い失敗は、安易に成功している人のセールス方法をただ真似たり、高いコストをかけて営業コンサルタントなどに依頼することです。「クルマが売れる○○方法!」なんていう研修を営業に受けさせたりしていませんか?そんなことでは、絶対に売れるようにはなりません。
ではどうすればクルマが売れるセールストークを身に付けられるのでしょうか?簡単です。100%お客になりきって自分のセールスを見直すことです。実は、お金がかからず最も短期間で簡単に中古車セールスが上達する方法があります。もちろんどんなコンサルタントから学ぶよりも効果があります。その方法を今からお教えいたします。みなさんでも必ずできます。
社員研修と称して、近隣のレジャー施設に社員全員で出かけてみてはいかがでしょうか?社員旅行というほど規模が大きくないお店の場合は、お店が休みの時にご家族みんなで1日出かけてみても良いでしょう。
行き先はどこにいくのか?できればあなたのお店がある都道府県以外の隣接する他府県がよいでしょう。そこで中古車屋が多く集まるクルマ屋街道みたいなところに行ってみましょう。(東京でいうと環状八号線みたいなところですね。)そこでお客になりきって実際に他店のセールスを受けてみてください。必ず見積もり提出まで行ってください。ディーラーに行ってみてもよいでしょうし、元気のありそうな中古車販売店でも良いでしょう。とにかく他店のセールスを肌で感じてみましょう。完全な一人のお客になりきって。
みなさん業販取引や同業者としてなら、初めてのクルマ屋に行ったりすることはあるでしょうが、純粋にお客としてクルマ屋に入るという経験はしていないのではないでしょうか。知らない土地で一ユーザーとして中古車屋に入ってみてください。そこで実際に他社がどのようにセールスするのか確かめてみてください。あなたが飛び込みで入ったクルマ屋の営業マンが、「いらっしゃいませ!!!何かお探しですかぁ~~!!」「予算はいくらくらいですかぁ~~」なんていわれて自分の後ろをウロウロされたら実際にどう思うか、体験してみてください。
きっと、「コイツ売る気満々だなぁ~絶対にここじゃかわねぇぞ!」っと思うことでしょう。(笑)もしあなたについた営業マンが、いきなり「予算はいくらくらいですか?」などと聞いてきたら、「う~ん、100万円位かなー」と答えてみましょう。予算を聞いてきたくせにいきなり120万円のクルマをすすめてきたとしましょう。きっと、「コイツはオレ様に高いクルマを売りつける気だな!?」と警戒するキモチがわくはずです。聞いてもいないのに、「けっこうこのクルマ人気あってすぐに決まっちゃうかもしれませんよ!でも申込金置いていってくれたら取っておきますよ!」なんていわれたら、「ウソつけ!ただ売りたいだけだろコノ!」と思うでしょう。ぜひ実践してみてください。
もちろん来店するときからお客さんになりきることは始まっています。おそらくあなたが訪問したほとんどのお店で、クルマで入店する際どこにクルマを置いたら良いかわからず戸惑うことでしょう。クルマから降りてお店を見回すと、展示場にタバコのフィルターが落ちているのに気づき、展示場の横に山積みされたバッテリーや廃タイヤが目に入るはずです。もしかすると、店員がポケットに手を突っ込んでこちらに向かってくるのに気づくかもしれませんし、ショールームの机が乱雑に散らかっていて、気分が悪くなるかもしれません。
『クルマ屋』として中古車店に行くのと、『お客』として中古車店に行くのでは見る目が全く変わることにきっと驚くでしょう。
『クルマ屋』としての目線では、顧客から預かったタイヤを一時的に保管しているようにみえても、『お客の目線』では、単に片付けられないだらしないお店と見えるはず。
『クルマ屋』としての目線では、いつでもバッテリーを繋げるように用意されたジャンピングコードも、『お客の目線』では、ただの薄汚い赤と黒の配線がショールームの端に転がっているだけに見えます。
レストランに行って、テーブルの灰皿にタバコの吸殻が残っていたらきっとあなたは憤慨するはず。では自分のお店ではどうでしょうか?実際に自分が100%お客になりきって世の中のダメ営業マンの話をたくさん聞いてみてください。大事なことは、「どのようなセールスをするのか勉強しよう」というキモチでいってはいけないということです。
良い点を真似るのではなく、悪い点をピックアップしてきてください。
重要なのでもう一度いいます。あなたが実際にお客としてクルマ屋に行き、気に入らない点や頭にくる言動を調べてきてください。そして”それ”をやらないことです。「なんだよ、この店どこにクルマ置きゃいいんだよ!」「「こんちは~~??」はぁ?コンチハ~~じゃないでしょ「こんにちは!」でしょ」「テーブルが汚くてなんかいやだなぁ~」「トイレきたねぇなー」「誰もあんたなんか呼んでないよ!黙ってクルマ見せてよ」「今日中に決めてくれ?なんで今決めなきゃいけないのよ!」「なんか冴えない営業マンだな寝ぐせついてるよ」
社員みんながお客になりきり、そのお店で気に入らなかった状態や、営業マンの行動、言質をピックアップしてください。それを翌日からやらないようにするのです。悪い点を見つけ、それを自分たちはやらないようにするのです。他店のセールスを反面教師にするわけです。
みんなで入店した中古車販売店の営業マンの言動や言質で“カチン”ときたことや、「は?」と感じたことを発表し合い、翌日からそれをしなければ良いわけです。
たったこれだけで劇的な違いを得られます。コストゼロで効果は絶大。社員旅行と一緒に行えばオリエンテーションのような感覚でみんなで楽しめますし、少人のお店の場合は旅行のついでに家族で飛び込みで中古車販売店にいってみましょう。女性の事務員さんや奥様の意見が実は一番的を得たりするはずです。イヤに感じたことを自分は実行しないようにするだけ。
人の振り見て我が振りなおせ。
]]>実際にその中古車屋さんにいってみると、雑誌に掲載されていた48万円の白黒ツートンの2Drレビンの他に、65万円くらいのトレノ、そしてその2台より年式の新しい85万円くらいの3Dr赤黒ツートンのレビンが置いてありました。お店の展示場で目当てにしていた48万円のレビンを見ているあいだ、近くで洗車をしていた店員さんがいました。僕がクルマを見始めてから10分くらいはたったでしょうか。他に展示してある2台のハチロクも気になってきはじめたころ、洗車をしていた店員さんが、ようやく僕に近づいてきました。
その店員さんが近づいてきたとき、内心「騙されないぞ~~」っとおもっていたのですが、その店員のお兄さんは僕に近づき、「こんにちわ!!」と声を掛けてきました。(「いらっしゃいませ!」と言わずに「こんにちは」と声を掛けてきたところや、僕が来店した時は声を掛けずに10分もしてから近づいてくるあたり、今となってはそこそこの接客技術の持ち主であり、センスがあったのかなと思ったりもするのですが、とにかく真夏の炎天下の中、ツナギを着て洗車を終わらせた後のさわやかな汗と笑顔の店員さんには、私が近づいてくるときに感じた「騙されないゾ!」とおもった気持ちはどこへやら。僕の心には、「何でも相談できそうなクルマに詳しいお兄さん」という印象を与えるに十分な状況でした。
さて、そのさわやかな感じのお兄さんは(店員ではなくお兄さんと感じてしまっているところでもうすでにダメですが)、3台のハチロクについて、それぞれの”違い”を僕に説明してくれました。
このようなことを僕に教えてくれました。
ただし、中古車のセールスなら必ずといって良いほど質問したくなる2つ事柄については、一切しませんでした。それは、「予算はいくら?」ということと、「購入時期は?」という2つの質問です。そのお兄さんは私に対して「予算はいくらなの?」とは全く聞きませんでした。3台見比べている僕が一番安いハチロクを見に来たのは知っていたはず。
しかしそれには一切触れず、僕が他の2台にも興味を持ち始めた所で近づいてきて、3台のハチロクの違いのみを説明していました。
僕が「他の2台は程度は良いけど高いからなぁ~」というと、「頭金をしっかり入れておけば、ローンの回数を適時調整すれば十分購入可能だよ」と言いました。購入時期についても全く聞きませんでした。そのかわり、今日中にある程度の結論を出さないと、つまり買う意思を表示しないと他のお店に移動させてしまうといいました。
そしてその営業マン、最後にこのような決めセリフを言いました。「安いクルマを買うと実際に乗り出してから後悔することが多いよ。でも、高いクルマを買っておくと、実際に買ってから「やっぱりこのクルマにしてよかった!」と満足することが多いよ!」
これで決まりです。僕はまた新たなローンを組むことになりました。結果的にこの営業マン、予算50万円のお客に対して、一言も「安くする」とも、「買ってくれ」とも言わずに、たった30分程の接客で80万円以上のクルマを売ってしまったわけです。
なぜこの営業マンは50万円が予算と決めていたお客(つまり私です)に、80万円のクルマを簡単に売ることができたのでしょうか?彼は、価格に関することや、購入するかしないかなど、他の営業マンが通常お客から聞き出す事柄には一切触れずに、
わかりますか?一般の営業マンが接客の際によく話すような【購入する前の問題点】について話しているのではなく、この営業マンは【購入した後どう感じるか?】について話していたのです。購入する前の問題点ってわかりますよね?予算や購入時期などのことですね。購入した後どう感じるか?ってわかりますよね?買った後の満足感や利便性などですね。その営業マンは、お客がクルマを買った後どう感じるか?についてクルマ屋としての意見を述べていたのです。価格や値引きや購入時期については一切触れずに。
もしこの営業マンが、私とのセールスの最初に「予算はいくらで?」なんていう質問をしたとしましょう。その後、総予算50万円と決めている僕に、「こっちのハチロクの方がいいよ!」なんて高い方のハチロクをすすめられたとしたら・・きっと「コイツは高い方を売りつけようとしているな!」と警戒されたでしょう。
「営業マンにはいいくるめられないぞ!」「予算を守って車を買うぞ!」「ローンは絶対組まないぞ。現金払いのみ!」「絶対損しないぞ!」などと考えて思いっきり警戒しているお客にたいして、何をどういう順番で話すか?によって、50万円の予算でクルマを買いにきたお客に総額100万近いクルマを売ることができるようになるのです。
クルマを買いにきたお客に対して何をどういう順番で話すか?これが重要。
みなさんは「まずお客さんに予算をお伺いして、それに近い車を提案しましょう!」などという教育を受けているかもしれません。ディーラー経験者に多いかもしれません。そう教えられますからね。しかし、それをいつ、どのような順番で話すか?については教えられていないのではないでしょうか。”それ”を先に話してしまうことで、その予算以上のクルマを薦めることが逆に難しくなってしまいます。
そうではなくて「予算以上のクルマを買うことがあとでどんなにメリットがあるか」について先に理解してもらわなければ、予算オーバーして高い車を買う必要性がありませんよね。多走行のクルマのリスク度合いが理解できたからこそ、多少予算オーバーでも少走行距離のクルマを選択できるのです。「今高いクルマを買うから下取りの時に高く売れる」ということです。
どうすればクルマが売れるようになるのか?簡単です。「お客のキモチを理解すること」自分がお客になりきって自分のセールスを見直すことです。コンサルタントや講師はこういいます。「接客の中からお客の予算を聞きだして在庫の中から良い車を提案しましょう。」無駄です。意味ありません。何をどういう順番で話すか?によってお客の予算などガラッとかわるから。お客には予算なんてあってないようなものだからです。でなければ、総額50万円のお客が100万円近いクレジットなど組みません。
でもそのお客は満足しているのです。「やっぱり高年式の高いクルマの方が良いよね!」と。
お客とのセールストークについて、今一度見直して見てください。
何をどういう順番で話すか?
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