AIに選ばれるお店になるために、今やるべきこと
前回は「AIに選ばれるためには、まずGoogleの口コミを増やしましょう」というお話をしました。
今号ではそこからもう一歩進んで、「では実際に、AIに自分のお店を紹介してもらうためには何をすればいいのか?」について考えてみたいと思います。
「検索して調べる」から「AIに相談する」時代へ
これまで私たちは、何かを探すときGoogleで検索していました。
「東京市 車検」
「軽中古車 販売店」
「車 傷修理」
「近くの自動車整備工場」
という感じですよね。そんな言葉を検索窓に入力して、表示されたホームページの中から良さそうなお店を探していました。ところが、これが少し変わってきています。
Googleの検索画面には「AIモード」という機能が追加され、ChatGPTのように、
「この近くで評判のいい車検のお店を教えて」
「子どもが乗るので安全性を重視して中古車を探したい。おすすめのお店は?」
「車をぶつけてしまった。ディーラーと鈑金工場ならどちらに相談した方がいい?」
というように、文章で質問する人が増えてきています。
GoogleのAIモードは、一つの質問について複数の情報を調べ、それらを整理したうえで回答を作る仕組みです。従来のように検索結果を順番に並べるだけではなく、比較したり、条件に合うものを探したり、さらに質問を重ねたりできるようになっています。
そこで当然、皆さんが気になるのは、
「では、AIに自分のお店を紹介してもらうには、どうしたらいいの?」
ということだと思います。
ウェブの業界で「SEO」という言葉があります。ホームページに詳しい人であれば、聞いたことがあるかもしれませんし、「俺は詳しいぜ」という人もいらっしゃるかもしれませんね。そんなあなたに向けて、中古車販売店や整備工場がAIに表示されるためにやってほしいことを、まとめてみました。
お店のコンセプトがウェブ上でわかるようになっている?
AIに表示されるために一番大事なのは「うちの店はこういう店です」という情報をインターネット上できちんと伝えることです。自社のホームページだけではなく、Googleにも、SNSにも、お客様の口コミにも、同じような情報が存在している状態を作っていくことが重要になります。
AIは、あなたのホームページだけを見て判断しているわけではありません。
例えば、あなたの会社のホームページに、
「地域密着で40年。車検ならお任せください」
と書いてあったとします。もちろん、それも大切です。
しかし考えてみてください。
自分のホームページには、自分で何でも好きなことを書くことができます。
「地域ナンバーワンです」
「お客様から大変高い評価をいただいています」
「技術力には自信があります」
全部、自分で書けます。ではAIから見たらどうでしょうか?本当にそうなのかどうか、ホームページに書いてあることだけを信じて自分のAIに表示させることはできません。
そこでAIは、ホームページだけではなく、いろいろな場所にある情報を参考にするようになっています。
Googleビジネスプロフィールには何が書かれているのか。
お客様からどんな口コミが投稿されているのか。
Instagramではどんな投稿をしているのか。
他のサイトにはその会社のことがどう書かれているのか。
そして、それぞれの情報に矛盾がないか。
添付資料でも、自社サイト、Googleビジネスプロフィール、SNS、他社メディアなどに掲載される情報の「一貫性」が重要だとしています。特に自社以外の場所に書かれた情報は、第三者から見た評価としてAIが参考にしやすい、という考え方なのです。
飲食店で考えてみるとわかりやすいでしょうか。
ある人が、
「私は料理がすごく上手です」
と言っているだけなのと、
本人もそう言っているし、
友達も「あの人の料理はうまい」と言っている。
料理コンテストで入賞している。
SNSにも料理の写真がたくさんある。
料理教室も10年間続けている。
となれば、ずいぶん信頼度が変わります。
AIもそれに近い見方をすると考えれば分かりやすいでしょう。
なので、これからのホームページ対策は、「Googleで1位になるテクニック」だけを考える時代ではなくなるということです。
で、何をすればいいのか?
ということですが、
自動車販売店や整備工場は、まず次の5つから始めればいいと思います。
AIに表示してもらうためにまず始める5つのこと
1.ホームページに「何が得意な会社なのか」をはっきり書く
まずホームページです。
意外に多いのが、「何でもできます」というホームページです。
新車販売
中古車販売
車検
一般整備
鈑金塗装
保険
タイヤ
コーティング
レンタカー
全部書いてある。
しかし、
結局、この会社は何が得意なの?
ということが伝わってこないホームページはダメです。
AIにとっても同じなのですが、例えば「軽自動車を買いたい」という質問をされたときに、軽自動車について詳しく説明している会社と、単に「新車・中古車販売」とだけ書いてある会社では、情報量が違います。
車検についても、「車検やっています」だけではなく、
「年間○○台の車検を実施しています」
「軽自動車から普通車まで対応しています」
「土曜日も車検受付をしています」
「代車を○台用意しています」
「国家資格整備士が○名在籍しています」
という情報を詳しく掲載できていれば、その店の姿が見えてきます。さらにいうと、資格や経歴、実績など専門性を示す情報や「創業○年」「施工実績○件」など具体的な数字を掲載することが重要だとされています。
ですから、最初にやってほしいのは、
ホームページに具体的な数字を増やすことです。
「地域密着」だけではなく、
「多数の実績」ではなく、
「年間車検1,200台」。
「経験豊富なスタッフ」
ではなく、
「国家資格二級整備士が6名在籍」。その国家資格整備士が具体的に何をしてくれるのか?を詳しく記載してください。
そもそもAI対策以前に、人間が見てもこちらの方が信頼できますし。
2.作業事例を増やしてください
次にやってほしいのが、事例の掲載です。
これは自動車整備業界には非常に向いているのですが、例えば鈑金工場なら、「トヨタ プリウス 左リアドア修理」というページを作る。写真を載せる。どこをぶつけたのかを書く。どのように直したのかを書く。修理期間を書く。可能であれば費用の目安も書く。
車検なら、「13年経過したワゴンRの車検」でもいいでしょう。
エアコン修理なら、「冷たい風が出なくなったN-BOXの修理」でもいい。
中古車販売なら、「○○市の○○様にタントをご納車しました」で構いません。
こういう情報は、その会社自身にしか作れないのです。インターネットのどこかからコピーしてきた一般論やAIに丸投げした原稿ではなく、自分たちが実際に行った仕事です。
実績を示す施工事例や作品例などを判断材料にし、Before/After写真、費用、期間、顧客コメントなどを掲載することが対策です。
実はこれ、AI時代にはとても強い情報です。
「車のへこみは板金で修理できます」という文章なら、誰でも書けます。でも、「2026年9月に、実際にこの車をこのように修理しました」という情報は、その会社にしか書けません。
AI時代には、これが今まで以上に重要になってきます。
3.Googleの口コミを放置しない
そして今後、特に重要になっているのがGoogleの口コミです。
皆さんも飲食店を探すとき、星の数を見ることがあるでしょう。
「4.6 口コミ235件」というお店と、
「3.2 口コミ7件」
というお店が並んでいたら、多くの人は前者が気になります。
AIも同じように、第三者の評価を判断材料として利用しています。だからといって、口コミを買ってください、という話ではありません。これは(できれば)やめた方がいいでしょう。嘘の口コミを投稿したり、口コミを書いてくれたら何かをプレゼントするといった不自然な集め方ではなく、普通のお客様に自然にお願いしてください。
例えば納車のとき。
車検が終わって車をお返しするとき。
鈑金修理が終わり、お客様がきれいになった車を見て喜んでくれたとき。
「もしよろしければGoogleに感想を書いていただけると励みになります」とお願いする。QRコードを用意しておいてもいいでしょう。そして口コミが入ったら返信してください。
良い口コミだけではありません。少し厳しい意見があったとしても、「この度はご期待に沿えず申し訳ございませんでした。社内で確認し改善いたします」ときちんと返す。
大切なのは満点の評価を作ることではなく、実際に利用したお客様の声が継続的に蓄積されていることです。
4.お客様から聞かれる質問をホームページに書く
あなたのお店には、毎日のようにお客様から質問が来ているはずです。
「車検って何日前から受けられるの?」
「他店で買った車でも整備してくれる?」
「輸入車でも大丈夫?」
「代車はありますか?」
「ぶつけたんだけど保険を使った方がいい?」
「中古車を買うとき走行距離は何kmまでなら大丈夫?」
「新車とリースはどっちが得?」
こういう質問です。
これをホームページに載せてください。Q&Aのページを作るのです。質問を書いて、その下に答えを書く。それだけでもいいです。
例えば、
Q.他店で購入した車でも車検をお願いできますか?
はい。当店で購入されたお車以外でも車検・点検を承っています。国産車を中心に対応していますので、お気軽にご相談ください。
これで十分です。
AIで検索する人は、以前のように、「東京市 車検」と二つの単語だけで検索するとは限りません。
「中古で買った車なんだけど、近所で車検をお願いできるところはある?」
のような文章で質問します。
ということは、お客様が普段質問する言葉でホームページにも答えを用意しておくことが、これまで以上に重要になります。
AIが理解しやすいページの作り方として、「読者の疑問を見出しにして直後に結論を書く」「冒頭で答える」「分かりやすい文章を使う」といったQ&A型の構成が推奨されています。
これは何もAIのためだけではありません。人間にも読みやすい。
つまり、AIに分かりやすいホームページは、お客様にも分かりやすいホームページなのです。
5.ホームページ、Google、SNSで言っていることを揃える
最後はこれです。意外とできていません。
例えば、
ホームページには、営業時間 9時~18時
Googleには、営業時間 9時~19時
Instagramには、毎週水曜日定休
ホームページには、火曜日定休
これでは、どれが正しい情報なのか分かりません。
住所。
電話番号。
営業時間。
定休日。
サービス内容。
会社名。
店舗名。
これらの基本情報は揃えてください。
そして、お店の特徴も揃えていきます。
ホームページで、「軽自動車に強い店」と言っているのであれば、Instagramにも軽自動車の納車事例がたくさんある。Googleの口コミにも、「軽自動車について詳しく説明してもらえました」と書かれている。中古車サイトにも軽自動車の在庫がたくさん掲載されている。そうなってくれば、この会社は本当に軽自動車に強い会社なんだなという情報がインターネット上に積み上がっていきます。これが、これから大切になる考え方です。
SNSは毎日更新しないとダメなのか?
ここまで読むと、「ホームページも更新して、Googleもやって、Instagramもやって、そんな時間はないよ」と思う方もいるでしょう。もっともです。
毎日更新する必要はありません。大切なのは、やっている仕事を記録していくことです。
例えば今日、新しい車を納車した。
写真を1枚撮る。
Instagramに投稿する。
時間があれば後日、その内容をホームページの納車事例にも掲載する。
今日、珍しい修理をした。
作業前と作業後の写真を撮る。
ホームページに修理事例として残す。
お客様からよく聞かれる質問があった。
「そういえば、この質問よく聞かれるな」
と思ったらホームページに追加する。
こういう小さな積み重ねで十分です。
SNSでも、Instagram、Facebook、X、YouTubeなど複数のSNSがありますが、すべてをやる必要はありません。自分たちが続けられるものを一つか二つ選べばOKです。何より大切なのは、やっているふりではなく、実際の仕事を発信することです。「AI対策」という新しい特別な仕事を増やさなくていいということです。
ここまで読んで、
「あれ?これって以前から言われていたホームページ対策とあまり変わらないじゃないか」
と思った方。

その通りです
GoogleのAI機能について、AI専用の特別な施策は無く、これまでのSEOの基本をきちんと行うことが大切なのです。
AIが登場したからといって、
「AIO対策をしなければ」
「GEOをやらなければ」
「最新のAI検索対策を導入しなければ」
と、必要以上に慌てることはありません。
ホームページをきちんと作る。
会社の情報を最新にする。
事例を増やす。
お客様の疑問に答える。
Googleの店舗情報を更新する。
口コミを大切にする。
実際の仕事をSNSで発信する。
これらを続けることが、結果AI対策になるのです。
AIが、推薦したくなる企業は、「AI対策が上手な会社」ではないのです。
お客様が、
「この近くで安心して車検を任せられる店を教えて」
とAIに質問したとします。
AIが紹介したいのはどんな会社でしょう。
SEO会社に高いお金を払っている会社でしょうか。
ホームページに特殊なプログラムを入れている会社でしょうか。
おそらく違います。
長年営業している。
腕のある整備士がいる。
たくさんの車を整備している。
料金についてきちんと説明している。
実際の作業事例がある。
利用したお客様から評価されている。
会社の情報がきちんと公開されている。
そういう会社の方が、紹介する側も安心です。
つまりAI対策を突き詰めていくと、
「ちゃんと商売をしている会社だと、インターネット上でも分かるようにする」
という、非常に当たり前のところに帰結します。
今自社について次の5つだけ確認してください
1. ホームページを見れば、自社が何を得意としているか分かるか。
2. 実際の整備・販売・鈑金・納車などの事例が掲載されているか。
3. Googleの店舗情報が最新で、口コミが放置されていないか。
4. お客様からよく聞かれる質問への答えがホームページにあるか。
5. ホームページ・Google・SNSに書かれている情報が一致しているか。
そして、できれば今日、自分の会社についてAIに聞いてみてください。
「○○市で車検をするならどこ?」
「○○市で評判の良い中古車販売店は?」
「○○市で事故修理をお願いできる会社は?」
そこに自分の会社は出てくるでしょうか。
出てこなかったとしても、慌てる必要はありません。
その代わり、
「AIから見たとき、うちの会社について判断できる情報は十分にあるだろうか?」という視点で、自社のホームページやGoogleの情報を見直してみてください。
これから検索の形は変わっていきます。
しかしインターネット集客の本質まで変わるわけではありません。
良い仕事をする。
その仕事をきちんと記録する。
お客様から評価してもらう。
そして、その事実をインターネット上に残していく。
それが一番確実な「AI対策」なのです。
今回はAIにどうすれば表示されるか?についてご案内しましたが、前号でも書きましたが、「まずは何からやったら良い?」と言われたら、迷わずGoogleビジネスプロフィールの強化です。このことだけで2時間のセミナーができてしまうくらい重要です。説明に時間がかかってしまうので省きますが、まずはGoogleビジネスプロフィールを完全に使いこなして下さい。私からのアドバイスです。

