整備業界は今が「攻め時」

整備業界を取り巻く3つの変化とは?

ここ数年、整備業界を取り巻く環境は大きく変わってきています。あなたも肌感覚で感じていると思いますが、「コスト上昇」「クルマの乗り方の変化」「ディーラー離れ」という3つの動きが同時進行しています。今号では、まずは整備業界の取り巻く環境の変化から考えてみたいと思います。

変化その1 クルマを「買い替えない時代」に入った

昨今、燃料費や部品代・人件費など、あらゆるものが値上がりし、クルマを取り巻くコストは高くなっています。これは整備業界だけの話ではなく、一般家庭の生活でも同様です。結果、ユーザーの間で起きているのが「できるだけ今のクルマを長く使いたい」という意識の変化です。

新車価格は上昇して、中古車相場も高止まりしています。結果、多くのドライバーが「買い替えより維持延命」へシフトしています。バブル崩壊後も同じように自動車の平均買換期間が伸びた時期がありましたが、実は今もコストプッシュインフレにより、自動車の買換年数が伸びているのです。しかしこれは、整備業界的には追い風と言えるでしょう。

買い替えから「維持延命」へ

整備・修理・コーティング・定期メンテナンスといったサービスの必要性が、これまで以上に高まっています。いま、多くのユーザーが安心して任せられる整備工場を探しているのです。追い風ですよね。

変化その2 ディーラーが手一杯

以前もお話ししていますが、もうひとつの見逃せない変化がディーラーでの人手不足です。現在、多くのディーラーでは慢性的な人員不足が続いており、自社の既存顧客対応だけで手一杯という状態が珍しくありません。というか、顧客ですら空きがない状況です。「整備予約が全然取れない」「細かい相談をしにくい雰囲気」そんな不満を感じているユーザーが確実に増えています。かくいう私も、ディーラーのオイル交換で2か月先を指定されました・・。しんなに待っていられませんよねオイル交換で。それまでディーラーしか利用しなかった層の一部が、街の整備工場に目を向けています。

  • 「近くでちゃんと見てくれる整備工場はないかな」
  • 「ディーラーより話しやすい、信頼できる工場に任せたい」

そう考えながらスマートフォンで検索するユーザーが確実に増えているというわけです。

変化その3 スマホで「近くの工場」を探す時代

少し前まで、整備工場の主な集客手段はチラシ・口コミ・固定客の紹介が中心でした。しかし今、ユーザーは「困ったらまずスマホで検索する」のが当たり前になっています。「車検 ○○市」「修理工場 近く」「整備工場 おすすめ」こうしたキーワードで検索し、Googleマップや検索結果から工場を選ぶユーザーが急増しています。まるで近所の飲食店を探すように、スマホを使って整備工場を探す時代になっているのです。つまり、以前のように「たまたま近くにある工場」というだけで選ばれる時代は終わりつつあります。今は「検索して、比較して、選ぶ」時代なのです。

  • メンテナンスのニーズは増えている
  • ディーラーから流れ出したユーザーが確実にいる
  • そのユーザーたちは今、スマホで受け皿を探している

つまり今は、何もしなくてもお客さんが流れてきてもおかしくない状況です。

なのになぜあなたの整備工場には新規客が集まらないのでしょうか?

ディーラーから流れてきたお客さんに見つけてもらえる工場とそうでない工場。さらに、見つけてもらえたとしても「選ばれる工場」と「比較されて終わる工場」。この差を分けているのがホームページなのです。

整備工場のホームページは優秀な営業マンになる

今のユーザーは、いきなり電話をすることはほとんどありません。かならず一度、ホームページを見ます。Googleマップの情報を確認します。口コミを読みます。そして、その情報をもとにこう判断しています。

  • 「ここなら任せても大丈夫そう?」
  • 「他の工場と比べて何が違うの?」
  • 「わざわざここに頼む理由はある?」

つまりホームページとは、単なる会社案内ではなく「選ばれるかどうかを決める営業ツール」になっているのです。

さらに言えば、ホームページは「どんなお客さんを集めるかをコントロールできるツール」でもあります。あなたがホームページでどんなメッセージを発信するか?誰に向けて語りかけるか?どんな強みを見せるか?これによって、問い合わせてくるお客さんの質も、成約率も大きく変わります。

ホームページは単に集客を目的とするだけでなく「どのようなお客さんに来て欲しいか」を選ぶことができるツールでもあります。あなたが発信する情報やメッセージによって、理想とするターゲット層からの問い合わせを増やすことが可能になるのです。

問い合わせが来ても決まらない工場の共通点

「問い合わせは来るのに決まらない」原因とは?

「ホームページも作ったし、Googleマップも頑張っています」

「実際に問い合わせも増えてきました」

「でも……なぜか入庫にならないのです」

もし、あなたの工場も同じような状況にあるなら、原因はほぼ間違いなく一つ、ホームページの出来不出来です。今の時代は「見つけてもらうこと」がスタートラインです。しかし、見つけてもらえたからといって、それだけで仕事が決まる時代ではありません。むしろ本番はそこからです。問い合わせが来ているのに決まらない工場に共通する問題と、そこから抜け出すための具体的な考え方について考えてみましょう。

まず知っておきたいユーザーの行動パターンとは?

前提として、今のユーザーがどう行動しているかを知っておくことが重要です。例えば「車検 ○○市」で検索したユーザーは、いくつかの工場を見つけて気になるところに問い合わせます。少なくとも2〜3社に問い合わせる場合もありますし、ホームページの完成度によっては意中に1社を決め打ちして問い合わせをしているかもしれません。いずれにせよあなたの整備工場は、その時点ですでに「比較対象の一つ」として扱われています。まずは比較されるということです。

問い合わせに繋がらない整備工場の共通点は「違い」が伝わっていない

問い合わせが入らない整備工場のホームページには、驚くほど共通した特徴があります。それは「違いが伝わっていない」ということです。これに尽きます。お客さんに比較されるのに、比較できる情報がホームページに無いのです。

  • 料金表はあるが、それ以外の情報が薄い
  • 「何でもできます」と書いてあるが、何が得意なのかわからない
  • 施工事例やお客さんの声がない、または少ない
  • スタッフの顔・考え方・こだわりが見えない
  • 工場の雰囲気や設備の様子が伝わってこない

こうしたサイトは、一見それなりに見えても、ユーザーからすると「どこにでもある普通の工場」にしか映りません。そして「普通の工場」がどう扱われるか。答えはシンプルです。一番安いところが選ばれます。

ユーザーが本当に求めているものは?

なぜユーザーは複数の工場を比較するのでしょうか?

「安いところを探したい」からだけではありません。本当の理由は「失敗したくないから」です。車の修理や車検は、一般のお客さんにとって中身がよくわからないサービスです。「言われるがまま払うしかない」という不安感を持つ人も少なくありません。だからこそユーザーは「ここなら大丈夫そう」という根拠を探しています。つまり、ユーザーが求めているのは「最安値」ではなく「安心して任せられる根拠」です。この根拠を提示できた工場だけが選ばれます。逆に言えば、「安心の根拠」を示せれば、多少価格が高くても選ばれます。

例えば、家電量販店が「地域最低価格保証」を掲げているケースがありますよね?「もし他店より価格が高ければ後からでも値引き対応します」と明示することで、ユーザーに安心感を与える強力な根拠となっています。この方法は本当に画期的な方法だと思います。だって、その時点では、そのお店で買えば失敗することはないのですから。

もしくは「当店はタイヤ交換については地域1番です。なぜなら・・」と伝えられれば、タイヤで困っている人が安心して問い合わせできます。具体的に何が得意なのかを明確に示すことで、ユーザーは「この工場なら自分の悩みやニーズに合ったサービスを受けられるはず」と考えて、安心して問い合わせしてくれるようになります。ホームページにあなたの工場の専門性や実績を強調することで、他店との差別化や安心感を伝えることができます。

「この工場なら自分の問題を解決してくれるはず」と思ってもらえることが、ホームページの役割なのです。

 「選ばれる工場」のホームページ設計とは

では、どうすれば選ばれるのか。「この工場に任せる理由」を明確にすることです。

簡単に言うと、

  • 輸入車・外車の整備が得意
  • 事故修理の仕上がりに特別なこだわりを持っている
  • 福祉車両・介護車両の対応ができる
  • 法人・フリートの一括管理に慣れている
  • オイル交換ならこんな◯◯のこだわりがある。
  • タイヤのことならどの魅せにも負けない。
  • 女性スタッフが在籍しており、女性のお客さんでも安心

このように「どんなお客さんに、どんな価値を提供できるのか」を明確にすること。さらに重要なのは、それを言葉だけでなく「証拠」で示すことです。

  • 実際の施工事例・ビフォーアフター写真
  • リアルなお客さんの声・レビュー
  • 作業へのこだわりや検査工程の紹介
  • スタッフの顔写真・プロフィール・想い
  • 設備・機材の紹介(信頼感の醸成)

こうした情報を積み重ねることで、ユーザーの中に「ここなら任せても大丈夫」という感情が生まれます。お客の知りたいことがホームページでうまく伝えられれば、価格競争から抜け出すことができて、お客さんに選ばれるようになります。

 「全部やります」は最も伝わらない

ここで多くの工場がやってしまうのが、

「車検も修理も板金もコーティングも、全部やってます!」

という表現です。一見すると幅広く対応できる強みに見えますが、ユーザーからすると逆効果です。「何が強いのかわからない」つまり、印象に残らないのです。その結果、また価格で比較されてしまいます。必要なのは、全部を伝えることではなく「これなら誰にも負けない」を一つ決めること

それを軸にしてホームページや発信を設計することで「この工場に頼みたい」という明確な気持ちを生み出すことができます。

問い合わせが決まらない本当の理由

あなたの会社に問い合わせが入らない原因は、集客力の問題ではありません。ホームページに問題があります。ユーザーはすでに複数の工場を比較しています。その中で選ばれるためには、次の3つが不可欠です。

  • 違いを明確にすること(何が得意な工場なのか)
  • 安心できる根拠を提示すること(実績・声・こだわり)
  • 強みを絞って打ち出すこと(「全部やります」を卒業する)

ホームページやGoogleマップはあくまで「入り口」です。本当に重要なのは、その先で「選ばれる理由」を作れるかどうかです。もし今、思うように問い合わせが入らないということであれば、やるべきことは一つなのです。ホームページを変えましょう。

「この工場に任せたい理由」を設計すること

正直、ホームページを整えるには手間がかかります。しかし、あなたの工場にしかない強みや想いを言葉にすることが、お客様に選ばれる一番の近道です。しかしここに本気で向き合った工場から、確実に結果が変わっていきます。あなたの考えていることを伝えられるホームページを作ってほしいと思います。