LINEで顧客フォローができる会社は生き残る

「顧客フォロー」ができないディーラーや整備工場が増えています

ご存知の通り、ディーラーや中古車販売店、整備工場という仕事は「クルマを売って終わり」ではありません。むしろ、本当の仕事はクルマを納車してから始まります。オイル交換、点検、車検、保険、鈑金、故障対応、乗り換え提案など、お客様との付き合いが5年10年と続いていく仕事です。特に整備工場は、2年に1回必ずやってくる車検があります。顧客と定期的に接点があるという特性を、どこまで活かせるかで経営は大きく変わってきます。

僕がディーラーで働いていた頃、顧客フォローの方法と言えば、ダイレクトメールやハガキ、そして車検3か月前から行なう電話フォローが一般的でした。「そろそろ車検です」「点検時期です」「オイル交換いかがですか?」という案内を、電話と郵送で行っていましたが、当時はそれが当たり前でしたし、逆に言えばそれ以外に方法がありませんでした。

実は今でもこの方法が最強で、ダイレクトメールによる情報提供や電話フォローが計画的にできている店舗は「車検防衛率」も高く、顧客満足度が高い店舗が多いです。

一方で時代も変わり、電話やハガキDMの他に、メール、SMS、LINEなど、低コストでかんたんに顧客へアプローチする手段が増えています。その中でも、今もっとも強力な顧客フォローツールになりつつあるのが、やはり「LINE」でしょう。

LINEで顧客フォローを行なうためには計画が大事

電話はなかなか出てくれない。メールは埋もれてしまい見られない。ハガキは見ないまま捨てられる。しかしLINEだけは、多くの人が毎日何度も確認します。整備工場側から見ると「顧客のスマホの中に自社の窓口を持てる」メリットがあります。

車検が近づいた顧客に向けて、LINEでかんたんに案内を送ることができます。

「早期予約でティッシュ5箱プレゼント」
「平日入庫でオイル交換半額」
「今月は車検予約が埋まり始めています。今すぐ予約」

などのタイムリーな情報を送るだけでも、反応はかなり変わります。電話で一件一件連絡していた時代に比べると、圧倒的に効率が良いのです。

LINEで相談できる店」は強い

さらにLINEの強みは気軽な相談窓口とすることができることです。

「エンジンチェックランプが点いたんですが…」という相談が写真付きで届く。「このキズ、いくらくらいですか?」と鈑金相談が来る。「タイヤの溝、大丈夫ですか?」と写真が送られてくる。こういう小さな接点が増える会社ほど、顧客との距離が近くなり顧客満足度は上がります。実際のところ、整備工場にとって一番怖いのは、顧客が困った時に、別の会社へ相談してしまうことや、車検を比較されて違う所に持っていかれることです。

最後の入庫から1年も2年もあなたのお店から連絡が無いと、顧客のロイヤリティは低下します。ところが、最後の入庫から定期的に電話連絡やダイレクトメールの情報提供、ハガキによる案内、加えてSNSやLINEによる情報提供が計画的に実行できていれば、顧客もあなたの会社のことを忘れずに、次の車検も入庫してくれるでしょうし、クルマの買い替え時には最初に相談してくれるはずです。

前述の通り、顧客に対するアプローチ方法は、DMやハガキ、電話連絡などの方法が基本ですが、LINEで顧客とつながっている会社は「とりあえず聞いてみよう」「ちょっと気になる点があるけど相談してみよう」などと、顧客があなたに気軽に連絡することのできるツールなのです。

LINEは「お店が連絡するツール」ではない
お客様が気軽に相談できる窓口

多くの整備工場や中古車販売店が、LINEを「お店から案内を送るためのツール」と考えています。コストがかからずラクに案内できるツールだから導入しよう、と考えています。きっとあなたもそうだと思います。でもこの考えでは、きっとうまくいかないでしょう。

もちろんこの考えも間違いではありません。車検案内、キャンペーン、オイル交換のお知らせなど、情報発信ツールとしてLINEは非常に便利です。しかし、本当に重要なのはそうではありません。LINEの本当の価値は「お店が連絡しやすくなること」ではなく、「顧客が相談しやすくなること」にあるのです。ここを理解できるかどうかで、LINE活用は大きく変わります。

なぜ顧客は電話を嫌がるの

たとえば、顧客がクルマに違和感を感じても「わざわざ電話するほどでもないかな」と思ってしまうことがあります。

「変な音がするけど気のせいかもしれない」
「タイヤのヒビ、大丈夫かな」
「この警告灯ってヤバい?」
「ぶつけちゃったけど修理いくらだろう」

こういう小さな不安や疑問は、実はかなり多いのです。しかしこのことでお店に電話をするかというと、顧客様側には結構な心理的ハードルがあります。営業時間を気にする。忙しいかもしれないと思う。そっけない対応をされたら嫌だ。こんな理由で「まぁいいか」となってしまう。

その結果、別の店へ行ってしまったり、放置して故障が大きくなったりすることがあります。しかしLINEは違います。

写真を送るだけ。
一言送るだけ。
夜でも送れる。
返信は後で読めばいい。

つまり、お客様にとって圧倒的に相談しやすいツールなのです。

「このタイヤ、交換必要ですか?」
「エアコン効かないんですが・・」
「今日来店できますか?」
「バッテリー上がりました・・」

こんな相談が、気軽に届くようになります。ここがLINEの本当の強さです。実際、お客様との関係が強い整備工場ほど、「何かあったらまずLINEが来る」という状態を作っています。LINEを活用できているお店は、修理工場ではなく、困った時に相談できる存在になっているのです。これは非常に大きい。なぜなら、整備工場の仕事は「壊れた車を直すこと」だけではないからです。本当は「顧客の不安を減らすこと」が仕事です。そしてLINEは、その不安を気軽に解決できる窓口になります。

逆に言えば、LINEを単なる広告配信ツールとしてしか使っていない会社は、かなりもったいない。毎月キャンペーンだけ送る。売り込みだけ送る。これでは、顧客は通知を開かなくなりますし、ブロックもされてしまうでしょう。

そうではなく、

「困ったらLINEしてくださいね」
「写真送ってもらえれば見ますよ」
「気になることあれば気軽にどうぞ」

このメッセージを出せている会社は強いということになります。これができる会社ほど、お客様との距離が近くなり、顧客ロイヤリティも高いのです。そして最終的には「「どこで修理するか」ではなく、「あの店に相談したい」という関係性になっていく、ということです。これからの整備工場は、整備技術だけで選ばれる時代ではありません。相談しやすい会社かどうか、どんどん強くなる時代だと思います。

というわけで、顧客に気軽に相談してもらうためには、全顧客にLINEの登録をしてもらう必要があります。ところが、多くの整備工場はここで止まります。「LINE公式アカウントは作った」「QRコードも置いた」「でも登録が増えない」。多くの会社がLINEを始めただけで終わっています。重要なのは、LINEを作ることではなく、LINE登録率をどこまで高められるかです。

LINE登録率がそのまま売上になる時代

例えば、あなたの顧客が1,000人いるとしましょう。そのうちLINE登録が200人しかいなければ、残り800人には今でも電話とハガキしか届きません。しかし登録率が950人になればどうでしょう。車検案内、タイヤ交換、キャンペーン、中古車情報、急な空き情報など、すべてスマホへ直接届けられるようになりますし、多くの顧客からさまざまな相談を受け付けることができるはずです。LINE登録率そのものが、会社の再来店率や売上に直結する時代になっているのです。だからこそ、LINE登録率を限りなく100%へ近づける必要があるのです。昔は顧客台帳が会社の財産でしたが、現在では「LINEでつながっている顧客数」が、会社の大きな資産になっています。

「登録お願いします」では登録率は上がらないよね

では、どうすればLINE登録は増えるのでしょうか。もうみなさんはおわかりだと思いますが、「お得なキャンペーン情報お知らせ中!LINE登録お願いします」という、お願い型のLINE登録の仕組みをやめることです。

多くの会社では「よかったら登録してください」「登録してくれると助かります」という案内をしています。しかし、これでは登録率はあまり上がりません。なぜなら、お客様は「営業される」と感じると警戒するからです。

効果的なのは、業務の流れにLINE登録を組み込むという考え方です。入庫時や預かり時に、「整備中に追加整備や確認事項があった場合、LINEでご案内いたしますので、ご登録お願いします」と案内するのです。これが非常に強い。なぜなら、LINEを販促ツールではなく、整備時の連絡ツールとして説明しているからです。

LINEは追加整備説明ツールとして非常に強い

実際、整備工場では連絡事項が非常に多いですよね。追加整備確認、部品入荷連絡、納期変更、作業完了案内、故障箇所の写真説明など、お客様へ連絡する場面が毎日のようにあります。

例えば、ブレーキパッド交換が必要になった場合、電話だと「今お時間よろしいですか?」から始まり、説明して、金額伝えて、了承もらって、とかなり時間がかかります。しかも電話に出ないことも多い。しかしLINEなら、写真付きで「残量がかなり少ないため交換推奨です。部品代込み○○円です」と送れる。お客様も仕事の合間に確認できる。これは、整備工場側にもお客様側にもメリットが大きいのです。

さらに、写真説明との相性が抜群です。

「タイヤにヒビがあります」
「バッテリーが弱っています」
「オイル漏れがあります」

と、写真付きで送ると、お客様の納得感が全然違う。口頭説明よりもトラブルになりにくく、追加整備の承認率も上がりやすい。これは実際、LINEを活用している整備工場がよく言う部分です。LINEを営業ツールとして考えるのではなく、電話同様、顧客との連絡ツールとして考えることです。そしてそれを顧客にも理解してもらうことです。実際、整備工場の売上は、「壊れてから来る」のではなく、「気軽に相談された回数」で決まる部分があります。

LINEを営業ツールではなく、連絡インフラとして考える

整備工場や中古車販売店がLINEを導入する時、多くの会社が最初に考えるのが、「どうやって販促に使うか」です。

キャンペーン配信。
クーポン配信。
中古車情報。
イベント告知。

もちろん、それも大事ですが、このように考える中古車販売店や整備工場のLINE活用はうまくいかないことが多い。なぜなら、お客様が営業されると感じるからですよね。

逆の立場で考えてみればすぐにわかります。

LINE登録した瞬間から、

セール開催中!
今月限定キャンペーン!
お得情報!

ばかり届いたらどうでしょう。最初は見ても、そのうち通知を開かなくなります。場合によっては、ブロックされるでしょう。売り込み中心のLINEは、お客様との距離を逆に遠ざけてしまうことがあるのです。(実際、ほとんどのお店のLINEがこのパターンです。あなたのお店も例外ではありません。)

では、どう考えるべきなのか。LINEを「営業ツール」ではなく電話の代わりとして考えることです。

以前は、整備工場はお客様へ電話していました。

「整備終わりました」
「追加修理必要です」
「部品入りました」
「車検近いです」

これは営業ではありません。業務連絡です。お客様との関係維持に必要な「連絡手段」です。LINEも、本来はここから考えるべきなのです。

「整備中に気になる部分があればLINEしますね」
「追加整備があれば写真付きで送ります」
「何かあればLINEで気軽に聞いてください」

こう説明されると、お客様は「便利そう」と感じます。

逆に、

「LINE登録するとお得ですよ!」
「キャンペーン届きます!」

だけだと、広告感が強くなります。大事なのは「お店が配信したい」ではなく顧客の方が便利になるという見せ方です。実際、お客側から見ると、LINEにはかなりメリットがあります。

電話しなくていい。
営業時間を気にしなくていい。
写真を送れる。
記録が残る。
あとで確認できる。

「この警告灯なんですか?」
「タイヤこんな感じなんですが大丈夫?」
「今日来店しちゃったりできますか?」

こういう相談を、仕事の休憩中や夜に送れる。これはお客様にとって、かなりラクなのです。実際、最近のお客様は、「電話するほどではないけど聞きたい」が非常に多いと思いませんか?そして、その小さな相談を受け止められる会社ほど、お客様との関係が強くなります。つまりLINEの本当の価値は、お店から情報発信することではなく、お客様が気軽にアクセスできる窓口になることです。ここを理解できて、スタッフに指示ができるとLINE運用の考え方が大きく変わります。もちろん、配信内容も変わります。

キャンペーンばかりではなく、

「暑くなってきたのでバッテリー点検増えてます」
「梅雨前にワイパーチェックおすすめです」
「気になることあれば写真送ってくださいね」

こういう、相談しやすい空気を作る発信になります。すると、お客様との距離感が変わります。最終的には、修理してくれる店ではなく、困ったら相談できる店になっていく。これが、これからの整備工場にとって非常に重要だと思います。

LINE登録は長期的な計画で考えよ

LINE登録は、「今月100件増やそう」という考え方ではなく、「2年間で会社の顧客インフラを作る」という視点が重要です。整備工場には車検があります。つまり、お客様は2年間の間に、ほぼ必ず何らかの形で入庫します。車検、点検、オイル交換、タイヤ交換、故障修理、鈑金、保険修理。そのたびに、「今後の整備連絡をLINEで行いますので、ご登録お願いします」と案内していく。これを2年間徹底して下さい。

全顧客リスト化できれば経営は劇的に変わるぞ

これを2年間続けると、気が付けば顧客リストの大半がLINE化されます。ここまで来ると、整備工場の情報発信力は劇的に変わります。

「明日、車検枠1台空きました」
「スタッドレスタイヤ早期予約開始」
「今月限定でエアコンメンテキャンペーン実施中」

といった情報を、一斉にスマホへ届けられる。

「台風前点検やってます」
「黄砂でエアコンフィルター汚れてませんか?」

など、季節連動型の提案もできます。

電話だけの時代では、ここまで細かく案内するのは現実的ではありませんでした。LINEのリストがあると、理想の顧客フォローができるようになります。ただ、ここで実際の現場を見ると、一つ大きな問題があります。それは、「必ずしも店頭でLINE登録できるとは限らない」ということです。

LINE運用は全スタッフ参加で考えること

一般的なLINE登録方法は、店内にQRコードを置いておいて、お客様に読み込んでもらう方法です。しかし、整備工場や中古車販売店は、店舗の外でお客様対応する機会が非常に多い。例えば、車を引き取りに行く。駐車場で預かる。事故現場へ行く。納車先で対応する。法人先へ出張する。積載車で引き上げに行く。こういうケースはかなり多いですよね。

さらに、受付スタッフだけでなく、営業、積載車担当、納車担当、引取担当など、いろんなスタッフがお客様対応を行います。そうなると、「あとでお店のQRコードから登録してくださいね」では、ほぼ登録されません。お客様は帰った瞬間に忘れるからです。つまり重要なのは、その場で登録できるかどうかです。

その場で登録できる会社が強い

あなたもスタッフも納車のアルバイトも、四六時中、QRコードを書いた紙を持ち歩けば良いですが、なかなかそうもいかないでしょう。そこで、最近かなり良いなと思っているツールがあります。それがICカード型のLINE登録ツールです。

これはカード型のLINE登録ツールで、カードの中にICチップのようなものが埋め込まれていて、お客様のスマホをかざすだけで、直接LINE登録画面へ飛ばすことができます。つまり、「QRコード読み込んでください」「カメラ開いてください」「うまく読み込めません」という流れがなくなる。スマホにピッとかざすだけです。

交通系のICカードみたいな電子名刺ですね。これ、実際かなり便利です。

https://touch.airpra.jp

例えば、積載車担当が事故車を引き取りに行った時、その場で「今後のご連絡をLINEで行いますので、こちらお願いします」と案内できる。納車担当が法人先で「今後の点検案内をLINEでお送りしますね」と登録できる。営業スタッフが中古車商談時に、その場で登録してもらう。こういう現場で即登録ができるようになるのです。実際、僕自身も1枚持っていますが、顧客の中古車販売店経営者に見せると非常に反応が良いです。「これ便利ですね」「これならスタッフ全員で使えますね」という反応がかなり多い。

実際のデモをみてみないとこの良さはわからないと思いますが、YouTubeの動画でもみてイメージしてみてください。

結局、LINE登録率を上げる会社は、登録に手間を使っています。逆に登録率が低い会社は、「あとで登録してください」になっている。ここが大きな差です。今後は、スタッフ全員がLINE登録を取れる体制が重要になると思います。受付だけではなく、営業、積載車担当、納車担当、引取担当、全員がその場で登録を取れる。この体制ができる会社は、2年後、かなり強い顧客基盤ができていると思います。さらに今後は、20代〜30代を中心に、「電話が苦手」という人がどんどん増えています。電話すると嫌がる。でもLINEなら返事が来る。これはもう時代の変化でしょうがないのかもしれません。

つまりこれからの整備工場は、「電話中心の会社」なのか、「スマホ中心の会社」なのかで、お客様との距離感が大きく変わっていきます。そして最終的に強い会社は、新規客ばかり追いかける会社ではなく、「既存顧客とつながり続けられる会社」です。次のお客様を探し続けるより、今いるお客様との接点を強く持つ。その中心に、今のところはLINEがいるという状況が現在です。

昔の整備工場は、電話とハガキで顧客フォローをしていました。そして今、その役割の一部をLINEが担う時代になっています。しかし重要なのは、LINEを導入することではありません。LINEをお店がラクに配信するツールとして考えるのではなく、あなたの顧客が気軽に相談できる窓口として考えられるかどうかです。実際、これからの整備工場経営は、整備技術だけでは差別化しにくくなっていきます。どこへ行っても、ある程度の整備はできる時代です。

その中で選ばれる会社は、

「困った時に相談しやすい」
「連絡しやすい」
「ちゃんとつながっている」

そんな会社になっていくと思います。

そして、そのつながる仕組みのひとつにLINEは有効です。依然としてDMやニュースレター、ハガキや電話によるアプローチは重要です。むしろLINEより重要です。ただ、顧客が気軽にあなたにアプローチできるツールとして、現在はLINEにも大きなメリットがあります。ぜひ長い期間をかけてLINEを導入し、正しい使い方をして欲しいと思います。

新規客を追い続ける会社より、既存顧客とつながり続けられる会社が、生き残っていくことができるのです。「売るためのLINE」ではなく、「顧客とつながり続けるためのLINE」。この視点が、これからの整備工場経営ではますます重要になっていくと思います。

〜追伸〜

個人的には、ダイレクトメールとハガキとDMが最強だと思っていますし、ニュースレターを継続的に出せている会社の顧客満足度は飛び抜けて高いです。そのため、私が中古車販売店・整備工場経営者であれば、意地でもこれらの方法で顧客フォローを行います。しかし、もしLINEを全顧客登録できていれば、タイムリーな情報を低コストですぐに提供できるLINEも必ず全数やり遂げます。そうすることで、夜安心して眠れるようになるからです。