クルマが売れないのではなく、クルマが買えない時代
あなたの地域の、クレジット審査通過率は何パーセントですか?
「オートローンの審査がさらに厳しくなった気がする。ローンが通らない。」
そんな声を、自動車販売店や整備工場の経営者から耳にする機会が増えています。
ローン会社が急に審査基準を大きく変えたわけではありません。しかし、お客さんを取り巻く所得環境は、コロナ禍以降大きく変化しています。新車価格は年々上昇し、中古車価格も以前より高い水準で推移しています。一方で、食料品や電気・ガスなどの生活費は上がり続け、家計には大きな負担がかかっています。
さらに、お客さんの家計状況を見てみると、住宅ローン、教育ローン、カードローン、リボ払い、スマートフォンの分割払い、奨学金など、さまざまな支払いを抱えているケースも珍しくありません。一つひとつは大きな借入ではなくても、それらが積み重なることでローン審査に影響を与えることもあります。また、転職直後で勤続年数が短い方、個人事業主として独立したばかりの方、フリーランスや契約社員として働く方、など、以前より働き方が多様化したことも影響しています。
さらに最近多いのが、年金暮らしというパターンです。地域によっては、クルマが無いと暮らせない地域もたくさんあります。年金生活者の方もクルマは必要です。元気な高齢者の方がローンが通らない、というケースも増えています。
収入があっても、金融機関から見ると信用情報や勤務状況の面で慎重な判断がされるケースも少なくありません。つまり、以前なら問題なくローンを利用できたお客さんが、今では審査に通らないことがあるわけです。
欲しくても買えない
地方では通勤や買い物、子どもの送迎、介護など、クルマは生活に欠かせないインフラです。都市部であっても、仕事で毎日使う方や、小さなお子様がいるご家庭では、クルマがなければ生活が成り立たないというケースは数多くあります。つまり、お客さんはクルマを買うのを諦めたわけではなく、「クルマは必要だし欲しい。でも買えない。」この顧客層が確実に増えているのです。私たちは、「最近はローンが通らなくてクルマが売れない」みたいな感じで考えてしまいがちですが、本当は「欲しくても買えない」層が増えているわけです。
これからは「販売できるお客さん」だけを相手にする時代ではなく、「クルマを必要としているすべてのお客さん」に対して、どのような選択肢を提供できるかが問われる時代になってきています。特にあなたの街では。そして、その選択肢の一つとして、今後ますます存在感を高めていく可能性があるのが「長期レンタカー」なのです。
クルマが必要なお客さんはどこへ向かうのか?
では、あなたの会社でローンが通らなかったお客さんは、その時点で車を諦めるのでしょうか。答えは、ほとんどの場合NOです。多くのお客さんにとってクルマは贅沢品ではなく、生活に必要な道具です。朝は子どもを保育園へ送り、そのまま会社へ向かう。仕事が終わればスーパーで買い物をし、高齢の親の病院へ付き添う。休日は家族で出掛ける。
このような生活を送っている方にとって、クルマがなくなるということは生活そのものが成り立たなくなることを意味します。だからこそ、ローンが通らなかったお客さんは、次の方法を探し始めます。例えば、家族名義でローンを組めないか相談する方もいます。予算を下げて、もっと安い中古車を探す方もいます。知人から車を譲ってもらうケースもあります。
そして近年、以前には見られなかった選択肢として増えているのが「長期レンタカー」という考え方です。以前のレンタカーといえば、「旅行先で借りるもの」「事故の代車」「数日だけ利用するもの」というイメージでした。
しかし現在ではその役割が少しずつ変わり始めています。
例えば、
・新車が納車されるまで半年だけ利用したい。
・独立したばかりなので、まずは仕事が軌道に乗るまで借りたい。
・転職したばかりでローンは難しいが、通勤にはクルマが必要。
・外国人技能実習生や特定技能の方が、仕事で使う移動手段として利用する。
・高齢の親があと数年だけ運転したいので、購入ではなく借りることを選ぶ。
このように、「所有」ではなく「必要な期間だけ利用する」という考え方が、少しずつ広がってきています。実際のところ、ローンを組めなければ多額の現金を用意しなければ車は手に入りません。しかし長期レンタカーであれば、初期費用を抑えながら、毎月一定額でクルマを利用することができます。税金や車検、メンテナンスまで含まれているプランであれば、急な出費を心配する必要もありません。
もちろん、すべてのお客さんが長期レンタカーを選ぶわけではありません。ローンが通らないから終わりではなく「それならレンタカーという方法はいかがですか??」という提案をするお店は、これから100%確実に増えていくでしょう。
そして、その相談を受けられるのは、大手レンタカー会社だけではありません。我々のような中古車販売店や整備工場が運営する地域レンタカーなのです。地域のお客さんと日頃から信頼関係を築いている、地域密着型の整備工場や自動車販売店だからこそ「この人になら安心して貸せる」というお客さんを見つけることができます。つまり、長期レンタカーは単なるレンタカー事業なのではありません。『クルマを必要としているお客さんを地域で支える、新しいサービス』なのです。
長期レンタカーを必要とする人は、実はこんなにいる
「長期レンタカーなんて、本当に需要があるの?」
と思いますか?
実はあなたの言う通りです。10年前までは。
確かに、10年前であれば、長期レンタカーを利用するお客さんなんて決して多くありませんでした。しかし現在は、乗りたくても乗れない人が増えています。
例えば、個人事業主として独立したばかりのお客さん。建設業や設備業、電気工事業、配送業など、仕事でクルマは必要不可欠です。しかし、独立したばかりでは金融機関の評価が安定せず、ローン審査が通らないこともあります。「半年でも仕事を続ければ実績ができる。」そんなお客さんにとっては、長期レンタカーは事業を軌道に乗せるための大切な移動手段になります。
また、転職したばかりのお客さんも同じです。収入は十分にあっても、勤続年数が短いという理由だけでローンが難しいケースがあります。しかし通勤にはクルマが必要。そんな時、「一年だけレンタカーを利用し、その後購入を検討する」という選択肢は非常に現実的です。
最近では外国人技能実習生や特定技能の方々も増えています。地方では工場や農業、建設業、介護など、多くの職場で外国人スタッフが活躍しています。しかし、日本での信用実績が少ないことや、保証人の問題などから、ローン契約が難しいケースもあります。それでも仕事へ行くためにはクルマが必要です。地域によっては、こうした方々が長期レンタカーを利用するケースも増えています。
さらに、高齢化社会も見逃せません。
・あと数年だけ運転したい。
・免許返納まではクルマが必要。
そう考える高齢者の方は少なくありません。新車を購入するほどではない。しかし中古車を購入して維持することにも頭金の用意は難しい。そのようなお客さんにとっても、必要な期間だけ利用できる長期レンタカーは、一つの安心材料になります。
そして実は忘れてはいけないのが、法人需要です。小さな会社では、社員が一人増えただけで営業車が足りなくなることがあります。
・繁忙期だけ車両を増やしたい。
・半年だけ増車したい。
・新車の納車まで代わりの車両が欲しい。
こうした要望は決して珍しくありません。このように考えていくと、長期レンタカーを必要とする人は決して「ローンが通らない人」だけではありません。仕事の事情、家族の事情、ライフスタイルの変化など、さまざまな理由から「買うより借りる」という選択をするお客さんは、今後さらに増えていくでしょう。実際増えているのですが。つまり長期レンタカーは、一部のお客さんだけを対象にした特殊なサービスではありません。時代の変化によって生まれた、新しいニーズに応えるサービスなのです。
そして地域密着型の整備工場や自動車販売店は、そのニーズに最も近い場所にいる存在です。今はまだあなたもそれほど乗り気ではないかもしれませんが、しかし5年後、10年後を考えたとき、この市場は今より確実に大きくなっているはずです。だからこそ、今のうちから経験を積み、お客さんとの実績をつくっておくことが、将来の大きな財産になるのです。
レンタカーは早くはじめたほうが勝ち
長期レンタカーは、「需要が増えてから始めればいい」というビジネスではありません。なぜなら、このビジネスは地域で最初に認知された会社が圧倒的に有利なのです。
例えば、あなたの地域で「長期レンタカーを借りたい」と思ったお客さんがいたとします。そのお客さんはまずスマートフォンで検索し、知人に聞き、Googleマップを調べるでしょう。そのとき、すでに何年も実績があり、口コミも増え、「長期レンタカーなら○○さん」と地域で知られている会社があれば、お客さんは自然とそこへ向かいます。つまり、レンタカー事業は後から参入しても、すぐにシェアを奪えるビジネスではないのです。先に始めて実績を作ることが有利なのです。
これは、ホームページやGoogleビジネスプロフィールの運用とよく似ています。先に始めた会社は口コミが蓄積され、検索でも見つけてもらいやすくなります。実績も増え、お客さんからの紹介も生まれます。一方で、後から始める会社は、その実績をゼロから積み上げなければなりません。だからこそ、重要なのは「今すぐ何十台も導入すること」ではありません。まずは数台でもいいのです。
貸渡しのルールを覚える。
事故対応を経験する。
法人契約を獲得する。
地域のお客さんに「長期レンタカーもやっています」と知っていただくこと。
この小さな積み重ねが、5年後、10年後には大きな差になります。
ビジネスには「需要が増えてから参入すれば間に合う市場」と、「需要が増える前に旗を立てた会社が有利になる市場」があります。私は、長期レンタカーは間違いなく後者だと考えています。5年後、10年後に需要がさらに拡大してから始めても、その頃には地域の先行企業がお客さんとの信頼関係を築き、口コミを集め、法人契約を獲得し、市場のシェアを押さえているでしょう。だからこそ、今は利益を最大化するためではなく、地域で「長期レンタカーならあの会社」と認知されるための第一歩を踏み出す時期なのです。
一台のクルマが、何度も利益を生み出すリピート商売
長期レンタカーの魅力は、「レンタカー料金が入ること」だけではありません。本当の魅力は、一台のクルマが何度も利益を生み出してくれることです。新車や中古車を販売した場合、大きな利益が発生します。その後は車検や点検、修理などで継続的なお付き合いは続きますが、販売利益そのものは一回限りです。
一方、長期レンタカーは少し考え方が違います。まず毎月レンタル料金という形で売上が積み重なります。法人契約であれば増車の相談につながることもあります。そして数年間活躍した車両は、今度は中古車として販売することができます。特に軽自動車など、残価の高いクルマは、数年後の売却時に利益が出ます。経営を行っているあなたであれば、「数年後に利益が出る」という一言で理解できるはずです。
つまり一台のクルマが、役割を変えながら利益を生み続けてくれるのです。これは地域密着型の整備工場や中古車販売店だからこそ実現できるビジネスモデルです。レンタカー専門店は整備工場ではありません。中古車販売店でもありません。しかし私たちは、そのすべてを自社で行うことができます。だからこそ、一台あたりの収益性を高めることができるのです。
さらに、お客さんとの接点も増えます。
・毎月顔を合わせる。
・困ったことがあれば相談を受ける。
・事故があれば対応する。
こうした接点が増えることで、お客さんとの信頼関係も自然と深まっていきます。信頼関係が深まれば、ご家族のクルマや会社の営業車、知人の紹介など、新たなビジネスへ発展する可能性も高まります。私たちは「一台売って終わり」の時代から、「一人のお客さんと長く付き合う」時代へ入っています。長期レンタカーは、その関係をつくるための入口にもなるのです。
だから私は、長期レンタカーを「レンタカー事業」とは考えていません。
地域のお客さんと長くつながり続けるための新しい顧客づくりの仕組みだと考えています。
販売か、レンタカーか。そんな二者択一ではありません。販売が難しいお客さんにも選択肢を用意することで、お客さんとのご縁を切らずに済む。そして、そのご縁が数年後に中古車販売や新車販売へとつながることも、決して珍しい話ではないのです。
既存顧客の流出防止に効果的
このメルマガを読んで、「新しいお客さんを獲得するためにレンタカーを始めよう」もしくは「審査に通らないお客さんにクルマを貸すなんてゴメンだね」と考える人もいるでしょう。もちろん、両方の考えが私には理解できます。しかし、私が地域レンタカーをあなたに勧めるのは、別の理由があります。長期レンタカーは新規顧客を増やすためではなく既存客を失わないための仕組みとして考えていただきたいのです。
もし、長年お付き合いのあるお客さんがローン審査に通らなかったらどうでしょう。
「今回は仕方ないですね。」
そう言ってお帰りいただけば、そのお客さんは別のお店を探し始めることでしょう。そして、そのお店で長期レンタカーを借りたとします。もしくは、古い下取り車を「これでも乗っておいて下さい」と売れば、古い車をあてがわれたお客の尊厳を傷つけ、かつ古いクルマは故障が連発して、お客のロイヤリティは著しく下がってしまいます。その瞬間から、そのお客さんとの接点は無くなってしまうのです。つまり、失うのは一台の販売ではありません。何年もかけて築いてきたお客さんとの関係も失います。
一方、
自社に長期レンタカーという選択肢があればどうでしょう。
「今回はローンが難しかったですね。でも、まずは長期レンタカーという方法もありますよ。」そうご提案できれば、お客さんとのご縁は途切れません。数年後、状況が変わりローンが組めるようになったとき、一番最初に相談していただけるのは、きっとあなたのお店です。
長期レンタカーは販売の代わりではありません。販売につながるまでの時間をつなぐサービスでありお客さんとの関係を守るためのサービスです。
新規顧客の獲得競争は、年々厳しくなっています。だからこそ、これからは「新しいお客さんを探す」こと以上に、「今、お付き合いのあるお客さんを手放さない」ことが、経営にとって大きな価値を持つ時代になっていくのではないでしょうか。
クルマを売る会社からクルマを必要とする人を支える会社へ
これまで自動車業界は、「クルマを販売すること」がビジネスの中心でした。しかしこれからは、「欲しい人に売る時代」から、「必要としている人に、最適な利用方法を提案する時代」に変わってきています。
ローンが通るお客さんには販売を。
納車待ちのお客さんには短期利用を。
法人には長期利用を。
そして、ローンが通らないお客さんには長期レンタカーという選択肢を。
お客さんの状況に合わせて提案できる会社ほど、お客さんから選ばれる時代になっていくでしょう。
これはレンタカー事業の話ではなく、あなたの目指すべき方向は「お客さんを断らない会社になる」という話です。これまでなら、「ローンが通りませんでした。残念ですね。」で終わっていた商談が、「それなら、こんな方法もありますよ。」に変わる。その一言が、お客さんとの縁を何年もつないでくれるかもしれません。私は、これからの整備工場や自動車販売店に必要なのは、販売力だけではないと思っています。
お客さんの生活を支え続けるための選択肢をどれだけ持っているか。
それが、地域で選ばれ続ける会社になる条件なのです。
長期レンタカーは、その選択肢の一つになり得ます。
今日始めて明日利益が出るビジネスではありません。だからこそ、今のうちから一歩を踏み出し、経験を積み、地域のお客さんに知っていただくことが大切です。
5年後、10年後に振り返ったとき、
「あの時、始めておいて良かった。」
そう思える会社が、一社でも増えることを願っています。
~追伸~
私はこのメルマガで、「地域で一番最初に旗を立てた会社が有利になる」とお伝えしてきました。
ということで、
まずは本当に旗を立ててしまいましょう。
もちろん、のぼりを立てた翌日から問い合わせが殺到するわけではありません。
でも、考えてみてください。のぼりも出していないお店に、お客さんは「レンタカーありますか?」と聞きに入ってくるでしょうか。答えは「NO」です。
まずは地域のお客さんに、「このお店、レンタカーもやっているんだ。」と知っていただくこと。ビジネスは、その認知から始まります。
レンタカー事業も同じです。最初から完璧な仕組みを作る必要はありません。
良いんです。
まずは「レンタカーあります。」
その一言を地域に知らせること。あとのことは、それから考えればいいんです。完璧な計画を立ててから始める会社より、まず一歩踏み出した会社の方が、結果的に地域一番店になっていることは少なくありません。車両が数台でも構いません。貸渡しのルールも、運営方法も、お客さんの声を聞きながら改善すればいいのです。あとのことは、それから考えれば大丈夫です。意外と、その一本の旗が、5年後・10年後の地域シェアを決める一本になるかもしれません。
ちょうどレンタカーのぼり旗があるので何本か立ててみませんか?

もっと深く学びたい方へ
「旗」を立てたら次は運営方法を勉強してみましょう。
今回のメルマガでは、長期レンタカー市場の可能性についてお伝えしましたが、実際に事業を始めようと思うと、
「料金設定はどうすればいいの?」
「車両は何台から始めればいい?」
「貸渡約款や保険はどう考えればいい?」
「法人契約はどうやって獲得するの?」
など、具体的な疑問が次々と出てくると思います。
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