繰り返しだけどもレンタカーはリピートする

レンタカーは「リピート性の高いビジネス」だとあらためて肝に命じるべし

もう何回も言っている気がしますが、実はレンタカーって驚くほどお客さんが何度も借りてくれるビジネスですよね?「レンタカーって旅行のときだけ使うものじゃないの?」と思っている方は要注意。あなたのすぐ近くの地元民が借りてくれます。

「この人、また今月も借りに来てるな」

実は、レンタカーってよくリピートされます。あなたの会社がちゃんとサービスしていれば。もしリピートなんかしたことないよ。というあなたのレンタカーは、何か問題があるはずです。

 

たとえば、私のクライアントのレンタカーではこんなケースがあります。

  • 毎月1回、病院に行くために車を借りに来る方
  • 毎週末、親の介護で隣町まで通うために使う方
  • 隔週で趣味の釣りに行くため、軽トラックを借りる方
  • 家族が帰省するたびにミニバンを借りる方

など、1回限りではなく定期的に借りる方が意外と多いのです。そして、こういう方が増えてくると「あ、この人また今月も借りに来てくれたな」という瞬間が増えてきます。

 

病院のカルテから学ぶ次回来店を見越した貸出記録

病院のカルテには、診察時のときの症状や診察内容、処方した薬の種類、既往歴など、患者さん一人ひとりの状態が詳細に記録されています。これはつまり、「次回来たときに、的確な対応をするための情報」であり、来院の継続を前提にした記録とも言えるでしょう。これはレンタカーでも同様です。レンタカー客が来店された際に、病院のカルテよろしくこんな情報をメモしておくと良いでしょう。

  • 借りた日時
  • 使用用途(例:通院/旅行/親の送迎/出張)
  • 人数(お子さん連れだった、ペット同乗だったなど)
  • 車両タイプの好み(大きめの車が好き、軽で十分など)
  • 会話の中で聞けたちょっとした情報(趣味、家族構成、次回の予定など)

こんな内容を記録しておくと、次の接客がガラリと変わるはず。これを「お客様カルテ」としてスタッフ全員で共有しておけば、次に来店されたときにこんな会話ができます。

 

「今日はお母さまの通院ですね。前回と同じ軽自動車、空いていますよ」
「この前お借りいただいたN-BOX、乗り心地どうでした?」
「次回の釣り遠征はいつですか?その時期、軽トラをお取りしておきましょうか?」

こういった「覚えていてくれている感」のある接客は、リピート率をさらに高めます。レンタカー客は「あ、ここは自分のことを分かってくれている」と安心し、次回も自然とあなたの会社で予約してくれるようになるでしょう。貸し出し記録をとっておき、次の来店時に前回の貸し出し記録について述べるだけで・・

 

 

レンタカーの貸し出しカルテを作れ

カルテがあるからこそ提案もできるようになります。

「毎月ご利用ですし、定期割引プランをご用意しましょうか?」

「○人乗りの方が楽そうなので、次回はワゴンにしてみませんか?」

「雨が多い季節ですし、撥水コートした車両でご用意しましょうか?」

病院でいえば、症状に応じた処方やアドバイスがあるように、レンタカーでもお客の過去を前提にした提案が可能になるわけですね。

  

病院が来院前提なら、レンタカーは来店前提で考えよ

病院は、患者さんが「また来る」ことを前提に成り立っています。カルテはそのための重要な道具であり、レンタカーも同じです。「また借りに来てくれる」ことを前提にするなら、記録と対応が必要になるということです。そしてその記録は、次の貸し出し時の会話を自然にし、信頼を深め、結果的に継続利用や紹介へとつながっていきます。レンタカーは1回きりのお付き合いではありません。何度も会う関係だからこそ、そのお客のことを覚えておための仕組みが重要です。

 

 

大手には絶対にできないサービスで勝ち残れ

そう考えると、大手レンタカー会社には、このようなサービスは絶対にできません。いま大手のレンタカー会社ではこんな方向に進んでいます。これでお客との結びつきがえられると思いますか?

 

  • 予約はすべてWebで完結
  • 免許証も事前にオンライン登録
  • 来店しても、スタッフとの会話は最小限
  • 鍵をもらって、車のキズをチェックしたら出発

人手不足やコスト削減のため、どんどん“無人化・省人化”が進んでいるのが現状です。効率は確かに良い。けれど、お客さんとの信頼関係を築くのは難しい。だからこそ、我々地域レンタカー事業者は人で勝負すべきなのです。「車を貸す」のではなく「車を使った生活=ライフスタイルのサポート」をしていると考えるべきなのです。

  

 大手がクルマを貸すなら、地域レンタカーは生活を支えろ

我々に何ができるのか。具体的にはこんな接客の工夫が考えられるでしょう。

  • 「どこか行かれるんですか?」と声をかけ、会話のきっかけをつくる
  • 旅行やお出かけの内容を聞き、観光情報や道路状況をさりげなく教える
  • 帰ってきたときに「おかえりなさい、道混んでませんでしたか?」と一言添える
  • お客さんの過去の利用履歴を踏まえて、最適な車種や時間帯を提案する
  • 「次のご利用も、またこのくらいの時期ですか?」と軽く次回予約を促す

 

こうした接客は、「人として覚えていてくれている」という実感につながり、“ここに来ると安心できるというブランド体験をお客に与えます。親御さんの介護で週末に車を借りる方にとっては、単なるクルマではなく、生活をつなぐ手段となります。お孫さんを迎えに行くため、遠方に出かけるための大切な時間となるかもしれません。レンタカーは「生活に寄り添うサービス」なのです。だからこそ「ただの鍵の受け渡し」で済ませてしまってはもったいない。お客さんの背景に少し寄り添うだけで、一度の接客が二度三度の来店につながる可能性を秘めています。

 

あなたは、それでもクルマの鍵を貸して、売上を上げますか?

 

レンタカーの貸し出し返却時の接客とは、次の貸し出しを準備する時間である

レンタカーは、車の貸出ではなく次の貸出のきっかけをつくる接客とも言えます。その短い時間で何を言えば、レンタカー客が「またここで借りたい」と感じる何かを残せるかどうか。それが大手との差別化につながり、価格競争に巻き込まれず、地域で愛されるレンタカー店になるための鍵になるわけです。

 

と、いうことを口が酸っぱくなるほどスタッフに伝えろ

このような接客ポリシーを「スタッフの指針」にまで落とし込めていますか?ここで重要なのが、こうした接客の意識をスタッフと共有できているか?ということです。

多くの現場スタッフは「レンタカー=車を貸す仕事」と捉えており、「車をきれいに整備して、時間通りに貸し出せばそれでOK」という認識になりがちです。だからこそ、経営者や店長が「我々は車ではなく、ライフスタイルを貸しているんだ」という考えを指針として明確に伝える必要があります。

 

「うちは“車を貸すだけじゃない。お客さんの背景にある生活を支えることが目的だよ」

「たとえば、毎週来るおじいちゃんは、親御さんの介護に行ってるんだよ。その人に、来るたびに安心してもらうことが仕事なんだ」

「貸出の時にどこ行くんですか?って聞くだけで、会話が広がるし、その人の目的が見えてくるよね」

「旅行どうでしたか?今日は病院でしたか?の一言で、この人、覚えてくれてるんだって信頼されるんだよ」

「うちはまたこの人から借りたいと思われる店にしよう。それが将来の売上につながるから」

 

こうした言葉を、朝礼やスタッフミーティングで繰り返し伝えることが、第一歩。接客場面での「良かった対応」や「お客様の声」をスタッフ間で共有する習慣をつければ、自然と「うちは車を貸してるんじゃない、信頼を貸してるんだ」という認識が浸透していきます。

 

仕組みにまで落とし込めれば、現場が動く

さらに理想的なのは、こうした方針を仕組みとして現場に落とし込むことです。

たとえば、、

  • 初回来店時に簡易カルテ(名前・目的・頻度・希望車種)を記録し、次回に活用
  • 返却時に「次回予約」を提案するフローをマニュアルに入れる
  • 毎月のスタッフ会議で「接客によるリピート獲得事例」を発表してもらう
  • 顧客カルテを見ながら「今月の声かけ対象者」を共有する

こうした取り組みを重ねることで、現場のスタッフも“目的意識”を持って接客に取り組めるようになり、結果として、お客様が“帰ってきたくなる場所”として選んでくれるお店になります。

 

「理念」と「具体」と「仕組み」の三位一体で進めることで、単なる車貸し業から、地域に根ざしたサービスへと進化することができるはず。

 

 

思いつきで考えたセールストーク・スクリプト

スタッフに「お客様との関係づくりが大事」と言っても、最初はピンと来ないもの。そんなときに役立つのが、実際に現場で使えるセールストークマニュアルです。今日は特別に*貸し出し前の声かけ例(スクリプト)を考えてみたので紹介します。

 

【貸し出し前:受付~鍵渡しまでの会話例】

スタッフ:
「本日はご予約ありがとうございます! ○○様、今日はどちらまでお出かけのご予定ですか?」

お客様:
「ちょっと母を病院まで送っていくんです。」

スタッフ:
「そうなんですね。お母さまの通院、いつもお疲れ様です。今日は天気も良いですし、気をつけて行ってきてくださいね。」

(記録に残すメモ:母の通院/午前利用が多い/N-BOX希望)

 

スタッフ:
「今日のお車は、前回と同じN-BOXをご用意しています。ご乗車はお二人でしたっけ?」

お客様:
「そうです、いつも母と2人です。」

スタッフ:
「承知しました! では、今回も前と同じように、後部座席のシートを少し倒してあります。乗り降りが楽かと思いまして。」

お客様:
「ありがとうございます、助かります!」

 

スタッフ:
「来月も通院のご予定ですか? もし日程が決まっていたら、先にお車を押さえておきましょうか?」

お客様:
「じゃあ、同じ木曜の午前でお願いできます?」

スタッフ:
「かしこまりました! では、次回のご予約もお取りしておきますね。」

 

あくまで一例ですが、ポイントはこんな感じになるわけです。

  • 「今日はどちらへ?」と目的を聞くことで、背景を知り、関係づくりがスタートします。
  • 過去の利用履歴を覚えている(またはメモを見て対応する)ことで、安心感が生まれます。
  • 次回予約の声かけは、さりげなく行い、リピート前提の流れを自然につくれます。

 

こうした型を、自分の頭で考え全スタッフと共有しましょう。このようなスクリプトは、マニュアルとして一度作ってしまえば、スタッフ間で共有・改善していくことができます。新人スタッフも「こう話せばいいのか」と安心ですし、ベテランスタッフは「自分流+型」で接客の質を高められます。全体として、どのスタッフでもお客様に安心感を提供できる体制が整うのが、トークスプリクトマニュアルです。こんな面倒なことができる自動車販売店経営者や格安レンタカー経営者は稀ですが、できれば一人勝ち間違いなしです。

 

地域密着のレンタカー店だからこそ、接客の質はそのままお店の印象となり、リピート率に直結します。ぜひ、こうしたセールストークのマニュアル化=スタッフ教育の第一歩として、活用してみてください。

 

 

次の予約をその場で生む 接客は販促になる

「レンタカーはリピートする」
この前提に立てば、やれることがたくさんあります。

 

  • 返却時に「次回のご予約も入れましょうか?」と声かけする
  • 次回使える500円引き券を手渡す
  • 「介護送迎で毎週使うなら、定額プランもあります」と提案する
  • 月に何回か借りる人に顔なじみ割を案内する
  • メンテナンスの良さや対応の安心感を感じてもらい、車検の相談にもつなげる

 

これ全部「リピーター前提」の施策です。そして実際、こういったアプローチをしている店舗はどんどんお客さんが増えていきます。

 

接客次第で、リピートも紹介も生まれます

「良い接客をして、次も借りてもらう」この循環があるお店には、自然と紹介も増えてきます。「近所の◯◯レンタカーさん、親切だし毎回気持ちいいからおすすめだよ」と。つまり、レンタカーを通じてお客さんとの接点が生まれ、そこから他の整備・車検・販売などにもつながっていくのです。

 

お客さんは車じゃなくあなたの店から借りている

「うちは台数も少ないし、大手に勝てるわけない」と思ったあなた。むしろ台数が少ないからこそ個別対応ができます

リピーターは、別に車種で選んでいるわけではありません。

  • 「気持ちよく対応してくれるから」
  • 「毎回同じ人がいるから安心」
  • 「困ったら相談に乗ってくれるから」

こうした理由で、あなただから借りるのです。

 

 

「レンタカーって、どこで借りても一緒でしょ?」そんなふうに思っている方、多いかもしれません。特に、初めて借りるときには「安さ」や「立地」で選ばれることがほとんどです。実際に、レンタカーを借りる前にアンケートを取ると、こうした回答が目立ちます。

  • 「料金が安いところを選ぶ」
  • 「家や駅から近いから便利」
  • 「ネットで一番上に出てきたから」

 

ところが面白いことに、借りたあとにアンケートを取ると、回答がガラッと変わるのです。

  • 「スタッフの対応が丁寧で気持ちよかった」
  • 「説明が分かりやすくて安心できた」
  • 「貸し出しも返却もスムーズで、ストレスがなかった」

つまりお客さんの評価ポイントは、「借りる前」と「借りた後」で変わるのです。

 

 

比較されるのは価格だが、記憶に残るのは接客

なぜ、こんなギャップがあるのか。

それは、お客さんが「レンタカーなんて、どこも同じだろう」と思っているから。ですよね。だからこそ「同じなら安いほうでいい」「近いほうが便利」と考えるわけです。でも、いざ借りてみると、そのお店の接客・応対・雰囲気の違いに気づきます。そして「このお店、なんか良かったな」という印象が、次のリピートや紹介につながるのです。なので、レンタカー業とは、単なる物貸し業ではなくサービス業だということです。。

 

 借りる前は「価格」で選ばれても、借りた後は「対応」で選ばれる

だからこそ、「うちは安さで勝負できないからダメだ」と思う必要はありません。

  • 他より少し高くても「スタッフが親切だから」と言ってリピートしてくれる
  • 駅から少し遠くても「車の受け渡しが早くて気持ちいいから」と言って通ってくれる
  • 比較サイトに載っていなくても「前に良かったから」と言って指名してくれる

それが、サービス業としてのレンタカーの強みです。レンタカー業を「車を貸すだけ」と考えるか、それとも「安心と信頼を届けるサービス業」と捉えるか。この視点の違いが、価格競争に巻き込まれるか、選ばれ続ける存在になれるかの分かれ道です。

 

というわけです。

長くなったので、最後にまとめてみました。

 

 

今号のまとめ

レンタカーは繰り返し借りられるサービス業という視点で、現場と仕組みを見直してみましょう。

「レンタカーはリピート性の高いビジネス」であり、単なる車の貸し出しではなく、接客と信頼が中心にあるサービス業であるということです。

  1. レンタカーは意外と「定期的に使う人」が多い
  • 通院、介護、習い事、出張、釣りなど、毎月・毎週決まったペースで借りる人は少なくありません。
  • 病院のカルテのように、お客様の利用履歴を記録することで、次の来店につなげる会話や提案ができます。
  1. 地域レンタカーこそ人で勝負できる
  • 大手は省人化・無人化が進んでいますが、地域レンタカーは「お客さまとの関係性」で差別化できます。
  • 「どこに行かれるんですか?」「お帰りなさい」――小さな声かけが信頼のきっかけになります。
  1. 接客は、次の来店を前提に考えるべき
  • 返却時に次回予約を促したり、割引券を渡したりと、次の来店につなげる仕掛けを用意しましょう。
  • 「ライフスタイルを支える」という視点で、単なる鍵の受け渡しではない接客マインドを持つことが大切です。
  1. スタッフに「レンタカーはサービス業」という意識を持たせる
  • 現場スタッフは「車を貸すだけ」と思いがち。だからこそ、経営者からの“接客の指針”が必要です。
  • たとえば貸し出し前に「今日はどちらまで?」と聞くような接客スクリプトを共有し、チームで習慣化していきましょう。

 

  1. お客様は「車」ではなく「安心できる体験」を借りている
  • 利用前は「安さ」や「近さ」で選んでいても、借りたあとは「接客の良さ」「気持ちよさ」が印象に残るものです。
  • 「レンタカーなんてどこも一緒」と思われるから価格で比較される。その思い込みを覆すのが現場の対応力です。

 

レンタカー事業を単発商売として捉えるか、それとも「繰り返し借りてもらう関係性の商売」と捉えるか。これにより、次のリピーターを生むかどうか、そして競合との差を生み出せるかを大きく左右します。まずは、小さな接客の工夫から。そして、スタッフとの認識の共有、カルテの記録、予約の声かけなど、できることから始めてみてください。

 

 

え?面倒くさい?

 

たしかにそうですね。OKです。

では価格競争で頑張って戦ってくださいね!

 

 

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