レンタカーは多店舗化が一番良いと思う

レンタカーは多店舗化が一番

 

自動車販売店や整備工場がレンタカーを始めて軌道に乗ったとき、次に行う施策はどんな方法があるでしょうか?

 

よくある方法として、台数を増やすという「増車」という方法があります。当社のクライアントも、最初は3台や4台からスタートして、レンタカーが上手くいき始めると台数が増えていきます。4台が6台となり、やがて10台を超えます。お店によっては20台や30台を超える在庫数を抱えるお店もあります。ここまでいくと、地域にもよるのですが毎月それなりの売り上げが立ち、スタート時に社内で冷ややかな目で見られていたレンタカービジネスも、会社のみんなに認められて、イチ事業として認められるようになります。

 

で、

ここまできたあと、どうすれば良いのか、ということに関しては、大きく分けて3つのパターンに分かれます。

 

その1、台数増車パターン

さらに台数を増やし続けていくお店もあります。当社のクライアントでは、たった4台からレンタカーをスタートした会社が200台近い台数を抱える地域レンタカーに成長したお店もあります。つまり台数を増やして売上を最大化していくという方法ですね。

 

その2、現状維持パターン

台数が増えるわけでもなく減るわけでもない。10台や20台位の規模で事業が落ち着くパターンです。実はこのパターンが1番多い。お店で増やせる台数は様々な事情で限られますので、ある程度の規模で満足して、結果現状維持となるわけです。

 

ただ、僕から見ているとちょっと勿体ないと感じるお店も多くあります。本来、自動車販売店が行う地域レンタカーは、地域の人にレンタカーを借りてもらい、顧客との繋がりを得て、車検点検や車両購入を経て「レンタカー客を顧客にすること」が目的です。そのための手段としてレンタカーを活用すると、思い切った価格戦略や柔軟な貸し出しサービスを提供することができますので、ライバルより明らかに優位に立てるのです。

 

そのため、できれば現状維持で満足することなく、次の方法でレンタカービジネスを最大化して欲しいと思っています。その方法とは「多店舗化」です。意外とこの方法を取る会社が少ないので私は驚いています。

 

その3、多店舗化

レンタカー事業がある程度上手くいくと、そこで停滞してしまう会社がほとんどなのですが、台数を増やして突き抜けていくというより、ドミナントで他店舗化することを考えて欲しいと思います。個人的には、多店舗化が1番リスク無く台数を増やして売上が上がる安定した良い方法だと考えています。

 

 

 

ドミナント戦略って知ってる?

ドミナント戦略とは、あなたの地域内に集中した店舗展開を行うことで地域内のシェアを拡大して優位に立つことを狙う戦略です。あなたも、交差点ごとに同じコンビニが営業している地域を見たことがあるかもしれませんが、あれがドミナント戦略に基づく出店戦略です。隣接地域にたくさんお店を出して、その地域では他のコンビニに付け入る隙を与えずシェアを独占する方法なのです。

 

 

まずは地域を知ること

あなたの地域で他店舗するためには、まずは自分のお店の周辺がどのような地域なのか、どのエリアに会社や工場があり、住宅街に何人が住んでいるなかなど、地図を広げて集客エリアを区切ることが大切です。地図とにらめっこしながら本店近くの何処に出店できるのか?考えてみてください。考えるだけならタダなので、まずは出店エリアを考えることから始めましょう。

地域のすべての駅に出店する。利用者数を調べて一定数を超えていたら出店する。エリアを区切って出店する。町に1つ出店する。地域によって様々な出店方法が存在します。

 

 

ブランド構築も考えましょう

ドミナントで出店していく際には、レンタカーのブランドを統一することも大切です。多くの会社が、自社レンタカーにブランドを付けることを行っていませんが、ベタな「○○レンタカー」みたいなもので良いので、統一したサービス名とイメージカラーを作ることが大切です。赤でも白でも良いのでサービスカラーを決めて、デザインを考えておきましょう。この、自社のレンタカーに名前をつけてブランド化することは、このあと必ず役に立ちます。むしろ、最初に考えておかなければならないことかもしれません。

 

 

お金をかけない出店計画が一番大切

レンタカーの出店において立地は重要ですが、地域レンタカーの場合、本店のレンタカー店舗がしっかりしていれば、多店舗化する際はすべてサテライト店で問題ありません。砂利の駐車場にプレハブ店舗で十分です。本店がしっかりとした整備工場付きの店舗であれば、あとはウェブサイトの力で、サテライト店の外観の問題点をカバーします。

 

地域によりますが、地域の各駅ごとにお店を出したり、工業地帯の近くや住宅街の中など、本店を中心として、隣接地域にローコストな店舗を出店できるかどうか考えてみましょう。

ちなみにヒントを言うと、多店舗化するのは別に「店舗」である必要はありません。知り合いの飲食店の駐車場でも、友達の会社が経営している工場の敷地でもオッケーです。ホテルの駐車場や空き地の隅っこでも構いません。地域に合わせて柔軟な貸し出し店舗を考えましょう。柔軟な発想が大切です。

 

 

地域レンタカーならではの貸し出しサービス

レンタカーを始めているお店は既にご存知かと思いますが、(きちんと出来ていれば)レンタカーはリピートが多いビジネスです。毎週借りてくれたり毎月借りてくれたり、マンスリーを更新してくれるような固定客が付くはずです。そんな地域のユーザーに借りてもらいやすい柔軟なサービスを考えましょう。アイディアは無限です。

 

 

マーケティング戦略も一応必要

レンタカーの多店舗化を成功させるためには、どのように広告するかも重要です。野立て看板やオンライン広告、ソーシャルメディア広告など、複数のチャネルを活用してブランド知名度向上を行います。地域を面で広告するので、様々な広告媒体を複合的に活用する必要があります。オンライン広告も大切ですが、それ以上に看板などのアナログ広告も効くと思います。広告に関してはもしかすると専門家の手を借りないとならない場合もあるかと思いますが、そこは所詮レンタカー。難しい広告を行うのではなく、シンプルな広告手法を考えてください。ぶっちゃけ、看板が良く効きます。

 

 

というわけで、

本店のレンタカーが軌道に乗ってきた場合は、ぜひとも多店舗化出来ないかを考えてみてください。いま、中古車販売店や整備工場が地域の新規客を獲得するのがとても難しい時代になっています。一昔前は車検のチラシを撒けばお客さんが集まりましたし、100円のオイル交換や格安目玉車両で集客できる時代もありましたが、いまは難しい時代です。ところがレンタカーに関しては、地域の新規客を集めることが可能です。

 

個人的には、あなたにはレンタカーで稼ごうなんて思わず、お客さんを集めるツールとして使って欲しいと思います。そう考えることで、レンタカーで儲けようと思っているライバル店とは真逆の戦略を張ることができるのです。

 

レンタカーで赤字を出したぶんは、さんざん今までお話した通り、他の方法で回収できます。顧客にしてから回収しましょう。

 

 

では!