レンタカーは前にも後ろにもなる?
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レンタカーを顧客サービスに使え
少し前の話ですが、自動車販売店がガソリンスタンドをオープンするのが流行りました。もしかしたら、あなたの地域でも、自動車販売店や整備工場がガソリンスタンドを併設した事例を知っているかもしれません。この手のスタンドは、大手のブランドを使わない、いわゆるノーブランドのガソリンを仕入れて販売するため、メーカー系のガソリンスタンドと比べて、安い単価でガソリンを提供できるのが魅力です。
書くまでもないとは思いますが、なぜ自動車販売店がガソリンスタンドをオープンするのかについて、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、少し解説したいと思います。
自動車販売店が併設する格安ガソリンスタンドは、そのお店の「フロントエンド商品」となります。自動車販売店や整備工場に来店する頻度は、下手すると2年に1回だったりするわけですが、ガソリンスタンドの場合、月に1回や週に1回程度と、高い頻度で来店が見込まれます。自動車販売店は単価の安いガソリンスタンドを自社に併設してオープンすることでお客を集め、その給油客に対して車両の販売や車検点検などのカーサービスを販売するわけです。
自社に併設したガソリンスタンドには毎日どんどんお客が来るわけですから、その給油客に対して車検などの自社サービスを販売することができます。理にかなった集客方法で、この場合たとえガソリンスタンドが黒字にならなくても、そこで大量の顧客リストと、自動車販売店にとっての準見込客が集まるわけですから、ガソリンをどんどん安くして給油客を集め、そこから車検や点検車等の売り上げを立てることができます。個人的にはとても良い集客方法だと思うわけです。
実は、この方法、逆のメリットもあります。自動車販売店の顧客にとってもメリットがあるのです。自社でクルマを購入して、自社で車検を受けてくれたら、その後2年間、ガソリン単価が大幅値引きになるわけです。素晴らしい特典ですよね。その会社で車検を受けたら今後2年間ガソリンがめちゃ安くなるわけですから、車検整備を受けたお客は、2年間よそのスタンドには浮気しないでしょうし、毎月給油で戻ってくるので、顧客との関係性も保て、かつ給油の都度セールスを行っておけば、次の車検も早期予約いただけるわけです。
まさに自動車販売店にとっては最高のフロントエンドサービスであり、最高にアフターフォローツールとなるわけです。自社でガソリンスタンドを持つメリットはここにあります。
コストがクソかかる
しかし当然ですが、ガソリンスタンドを新規オープンさせようと思うと、億単位の投資が必要となります。まさに強者の戦略。でかい資本の会社じゃないとできることではありません。もしかしたら大赤字になるかもしれないし。おそらく、あなたの会社では無理でしょう。僕も無理です。できる会社は限られるわけです。ところがこれと同じことを、レンタカー数台でやってしまう会社があるのです。
レンタカーをフロントエンド&バックエンドで使いこなせ
「フロントエンド」と言うのは、まぁ考えたらわかると思います。レンタカーを安〜く貸し出して地域で一気にシェアを取り、そのお客さんを自社の顧客に転換しましょう、と言う考え方です。これは今までメールマガジンでも何度となく案内してる方法ですから、きっとあなたの店でも既にやっていると思います。
一方、レンタカーをバックエンド商品で使うと考えた場合はどうでしょうか。レンタカーを顧客のアフターフォローに使うのです。「自社で車検を受けてくれたら、当社のレンタカーキャンピングカーを無料で使えます!」とか、「1年間半額でレンタルできます!」とか「抽選で1回無料にします」とか、自社の顧客である限り、会社にあるレンタカーが使い放題になると言うわけです。
普段軽自動車に乗っていても、○○モータースで車を整備している限り、そこの会社のレンタカーが使い放題もしくは格安で借りられる、と言うサービスは、あなたの会社の顧客をつなぎとめておくのに最適なサービスです。
そう考えると、揃えるべきレンタカーは決まってきます。軽トラックや小型トラックなどの商用車に、大人数が乗れるワンボックスカーやミニバン、余裕があれば、軽キャンやバンコンなどのはやりのキャンピングカーから本格的なキャンピングカーまで揃えておくと、あなたのお店のお客さんは、普段はあなたが売ったクルマに乗りつつ、何かあると会社のレンタカーを使ってくれるようになります。
余裕があれば、フェラーリでも1台買ってみてください。昔バブルの頃、近畿でとある会社が福利厚生にフェラーリを購入して大きなニュースになりましたが、まぁ同じ感じです。地域の新聞が取材に来てくれるかもしれません。「我社でクルマを買ったら抽選でフェラーリに乗れる!」みたいな感じです。そこまでいかなくても、色々なカテゴリのレンタカーを揃えておけば、あなたのお客さんはとっても便利でスマートなカーライフをおくれるようになるでしょう。
レンタカーを使ったライフスタイルを提案せよ
普段は自家用の軽自動車に乗っていて、家族で旅行に行くときはワンボックスをレンタルして、抽選で当たれば、夏休みにキャンピングカーで1泊2日のキャンプに行くなど、ローコストで最高に楽しいカーライフを送ることができます。一度そんなライフスタイルを経験してみると、他の会社で車検をする気にはならなくなるかもしれません。
というわけで、お金のある自動車販売店はガソリンスタンドを併設すれば良いと思いますが、そんな資本の無い我々は、レンタカーを最大限活用しましょう。レンタカーで儲けようとするのではなく、顧客に貸し出して欲しいのです。
車を持っている人は、わざわざお金を払って車を借りることに抵抗がある人も多いです。なので、当初はDMやチラシ等で相当な啓蒙活動が必要です。しかし一度レンタカーを活用するライフスタイルに慣れたお客は、二度と他の店に行かなくなることでしょう。そうなってくれば、レンタカーの数も増え、さらにバラエティー豊かなレンタカーを用意することができるようになるはずです。ガソリンスタンドを併設するのと比べると圧倒的に安いコストで顧客サービスができるのでお勧めです。
福利厚生にも役立ち一石三鳥
ちなみにこのレンタカー、福利厚生にも役立ちます。会社にあるレンタカーは、社員にはタダで貸してあげましょう。太っ腹な経営者として、社員の満足度も高まること間違いなしです。そんなわけで、レンタカーを顧客のために用意する、と言う考え方でレンタカーを運用してみてはいかがでしょうか。
もしあなたの会社でフェラーリを買ったら、僕にも貸してくださいね。
では!
ちなみに今月、
レンタルバイクがどこまで伸びるのか楽しみなのですが、同じように、自転車も農機具も除雪機もなんでも貸せてしまうので、レンタカー以外に活用していただくのは大歓迎です。
あなたも貸したいものがあれば活用してみてくださいね!
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