ヤフオクでクルマを売った話3

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ヤフーオークションでデミオを出品するにあたりまず行ったことというは、特別に解説ページを設けてデミオ専用の紹介ページを作ったことでした。そのページには、奥さんがデミオを購入した時の話から始まり、当時の思い出話を含めて見ている人が感情移入しやすいようにストーリー仕立てにデミオの説明をしていました。

現在、ヤフーオークションの車両出品システムは、年式や事故歴などを記載する登録システムが採用されていますが、当時は他のカテゴリーと同じく何も制約がありませんでしたので、車両紹介ページに必要最低限の車両データを記入しておいて、『さらに詳しく知りたい方は別ページに詳しく記載しています。そちらを見てくださいね!』とリンクを貼っていました。具体的なアクセス解析はしていませんでしたが、本当にこのデミオに興味があった人は最後まで、何度も何度も読み返してくれたのではないでしょうか?実際に落札された方に感想をお伺してみると、全員最初から最後まで繰り返し何度も何度も読み返していたそうです。そのうちの半数くらいの方は、説明文章をわざわざ印刷して紙媒体として読まれているようでした。

では、デミオは文章だけで売っていたのでしょうか?
そうではありません。写真のパワーもあるのです。ヤフーオークションの出品システムは登録できる写真は3枚までですが、それは今でも変わりません。そこで少し気の利いた出品者は、画像処理ソフトを使って複数の写真を1枚に加工処理してアップロードしていましたが、私は現在でも画像分割の表示方法は使用していません。

まず第1に、『単にめんどうくさい』から。

業者さんなどは一度に何台も出品したりしますよね?それをいちいち画像分割などやっていたら、多くの時間がかかってしまいます。たいして高価でもないものの出品なら画像分割を使って合計3枚くらいの画像を掲載するのでも良いと思うのですが、『クルマ』ですよ!何十万から何百万もするものです。写真3枚だけではたして入札する気になりますか?私はその程度の写真では『購入したい!』という気持ちにはならないと考えています。

第2に、『画像の加工処理より簡単で良い方法がある』から。
写真は多ければ多いほど良いというの持論ですので、複数の写真は必要です。しかしヤフーオークションでは合計3枚しか認められていません。ではどうするか?
こたえはカンタン。ヤフーフォトを利用すれば良いのです。私はこの画像サービスを使って、合計20枚くらいのデミオの写真をアップロードしました。フロント→斜め前→サイド→バック・・・と外観一周の写真。エンジンルームにトランクに内装にオーディオにアルミにスノボキャリアにキズにあっちにこっちに・・etc…..と約20枚。今では多くの出品者が多量の画像を掲載していますが、当時は私くらいでした。でも当然だと思うんですよね。我々はオートオークションの衛星などで写真だけでクルマを買う事はありますが、普通に考えて一般人が写真3枚でクルマ買えますか?(現在でもヤフオクでクルマ売ってる業者全般に言えることですが、写真少なすぎだと思います。もう少し見ている人がその車をイメージしやすいように順番を考え、写真をのせてあげるべきだと思います。)

「でも、何十枚も写真載せるなんて大変じゃないの?」という感想をもたれる方もいらっしゃるとおもいます。写真を撮るのはそんなに手間ではないとおもいます。連続でシャッター切るだけですからね。サイズもカメラ側で設定しておけば、インターネットでそのまま使用する事ができますし、何よりヤフーフォトはアップロードがカンタンなんです。ヤフーオークションと同じ要領でまとめて10枚単位でアップロードが可能ですので、デジカメのデータをPCに移してクリックするだけなのです。あとは出品ページに、『何十枚もの写真がここにありますよ~。気になる人はみてくださ~い』とリンクを貼るだけです。(実際には、私は前述したジオシティーズからリンクを貼っていましたが、出品ページに直接でも良いと思います。試したことがないお店は、ぜひヤフーフォトも利用してみてください。
オークションの終了日は、2連休の最終日になるように準備して、オークションの終了時刻は午後10時に設定。自動延長はありの設定です。スタート価格は最低限の売却価格で30万円に設定!
当時一般販売相場が50万くらいだったと思います。車検も1年ありましたので、「名義変更だけで乗れます!。私はディーラー勤務なので名変方法教えます!陸送手配もいたしまーす!」』と、大アピール。
オークション開催中は、予想通り質問は全くありませんでした。なぜって?質問する内容がないくらい説明済だから。それだけの情報量ならば当然マイナスポイントの説明もしましたが、例の『2人称方法』で上手く説明!見ている人には、「誠実な出品者だな~」という印象を与えられたでしょう。陸送料金に関する質問が4・5件程あったくらいでした。そしてついに、出品後3日目に初入札が1件!入札コメント欄には、「ぜひ落札したいです!」というコメントでした。いや~!うれしかったですね~~!

 

しかし冷静に考えると、私が出品してからたった3日間で、クルマを見ずに買おうと決断した人がいるということに正直驚きました。当時PCの前で、「えらいクルマの購入方法ができたもんだ」と、カルチャーショックを感じたのを記憶しています。最終的には4人ほどの入札者で競り合い、落札金額なんと495,500円!アクセス数が最終で4500くらいだったかな?ウォッチリストが100くらいだったと思います。

 

とにかく、首都圏の店頭相場価格と変わらないくらいまで競り上がっちゃったんですよね。たしかにスタッドレスタイヤサービスとか、多少の付加価値はあったにせよ、考えられない価格で売却出来たんです!しかも落札者は福島県在住の主婦!当初私が想定していたとおりの女性でした。女性が乗ってくれることを意識して説明文を考えたんですから。落札者は、オークション終了当日の夜は、旦那さんと自宅のパソコンの前で2人待機だったそうです。後日感想を聞いてみると、私が狙った通り『あれだけ説明されたデミオは初めてみて、何度もか読んでいるうちにまるで昔から知っていたクルマのように感じた。』と、後日コメントをもらえました。

その後の引渡しは、陸送手配をしてあげて、陸送会社の名変代行という形で納車されていったのですが、実はこの落札者の奥さまはなんと妊娠中だったそうです。子供が生まれてから安心してのれるクルマを探していたそうです。旦那さんはあまりクルマに詳しくなく何でも良かったそうで、この奥さんに車種選択の主導権があったようです。身重な体のため、外にクルマを見に行くことが出来なかったとの事でした。(我々では気付かない隠れたニーズを教えてもらいました。)何気なく普段利用しているヤフーオークションでクルマを探していて私の出品したデミオに出会ったそうで、本当は他の車種が良かったそうでしたが、このデミオの説明文と写真を見て「このクルマなら安心して買える!」とおもったそうです。

ここであなたに気づいてもらいたいのは、このような購入環境にある人が実際に入札してきたということです。普通、身重で外出できない主婦はクルマ買いにきませんよね?ところがインターネットでは、このような人もお客になりうる!ということなのです。しかも他の車種が良かったそうですが、私の出品したデミオはその競合車種に勝ったわけです。当然同時に出品していたデミオにも勝っています。今回出品するにあたって、実際の出品1週間前からデミオの出品状況をチェックしていましたが、直接落札されていたのは、その週私のクルマの他に1件だけでした。落札金額、入札件数ともに圧勝!でした。

結局、落札額と陸送費・名変手数料に税金などで、近所の中古車販売店で買うのと変わらない金額になったのですが、この夫妻はそのことを十分わかっていらっしゃいました。ただ、自分たちの満足度は非常に高かったそうです。『結果多少高くなってしまったが、このクルマをこのような方法で購入することには十分満足している。』という回答でした。

 

いいですか?
自分が納得する方法で購入できれば多少の費用アップは構わない。という人がいるのです。
インターネットでは、このように価格よりも違うポイントを重視する人を見つける事が必要なのです。

重要なのはその考え方と戦術です。どういうお客に自分のクルマを買ってもらうか?
はたからみると出品した車両を落札者が選別しているようにみえますが、実際はクルマ屋の方が買う客を選んでいるのです。

どんなお客にどのクルマを売るか?選択権はお店にあるのです。

売れないクルマ屋は選択権がお客にあります。
だからお客に選ばれないのです。

 

   

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